第66話 アリア王女の涙! 池の事件に隠された真実
第66話 アリア王女の涙! 池の事件に隠された真実
リリアとアリアの再会
アレクの命令によって、アリア王女が宮殿へ戻ってきた。
アレクは、自らアリアを迎えた。
「アリア王女、帰ってきたね。もう大丈夫だよ」
「ぱぱぁ……」
アリアはアレクに抱きついた。
その知らせを聞いたリリアは、ミレに抱かれて急いでやってきた。
「あうぅ! ありあぁ!」
リリアの姿を見たアリアは、ぱっと顔を上げた。
「りりあちゃぁん!」
「あい! ありあぁ! あいたかったのぉ!」
リリアは両手をいっぱいに伸ばした。
アレクが二人を近づけると、リリアはアリアにぎゅっと抱きついた。
「ありあ、げんきぃ? さみちかったぁ?」
アリアはリリアを見つめた。
リリアはいつもと同じように、にこにこ笑っている。
その顔を見た途端、アリアの目から涙がこぼれた。
「りりあちゃぁん……ごめんねぇ……」
「あうぅ? ありあ、ないてりゅのぉ?」
リリアは不思議そうに首を傾げた。
アリアは首を横に振ろうとしたけれど、涙が止まらなかった。
「ごめんねぇ……ごめんねぇ……」
アレクは心配そうにアリアの顔をのぞき込んだ。
「アリア、どうしたんだい? 何かあったのか?」
アリアは小さな手で涙をぬぐった。
「ぱぱぁ……ありあ、ずっと、くるちかったのぉ……」
「ずっと苦しかったのかい?」
アリアはこくこくとうなずいた。
「りりあちゃぁんに……いわなきゃ、だめなのぉ……」
リリアはアリアの手をぎゅっと握った。
「ありあ、だいじょぶぅ。リリちゃん、ここにいりゅよぉ」
その言葉を聞いたアリアは、また大きな声で泣き出した。
「うわぁぁん! ごめんねぇ、りりあちゃぁん!」
アレクは二人を見つめながら、静かに声をかけた。
「アリア、ゆっくりでいい。パパが聞いているからね」
アリアは涙でいっぱいの顔を上げた。
そして、ずっと胸の中にしまい込んでいたことを話し始めた。
ずっと言えなかったこと
アリアは、涙を流しながらリリアとアレクの前にいた。
「ぱぱぁ……りりあちゃぁん……」
「うん、どうしたんだい?」
アレクが優しく尋ねると、アリアはリリアを見つめた。
「いけに、おっこちたとき……」
アレクの表情が変わった。
アリアは何度もしゃくり上げながら、言葉を続けた。
「りりあちゃぁんを……ぽんって、したの……ありあなのぉ……」
「……アリア?」
アレクは驚き、アリアの言葉を待った。
アリアは泣きながらうなずいた。
「ままぁが、そうしなちゃいって……。りりあちゃん、よろこぶからって……」
「ヴィクトリアが、そう言ったのか?」
アレクが尋ねると、アリアは小さな頭をこくこくと動かした。
「うん……。ままぁが、りりあちゃんを、いけにぽんってちてって……」
アリアの声は震えていた。
「でもぉ……りりあちゃん、おっこちちゃってぇ……ありあ、こわかったのぉ……」
アリアは両手で顔を覆った。
「うわぁぁん! ありあ、こわかったのぉ!」
リリアは、泣いているアリアのそばに寄った。
「ありあぁ……」
小さな手で、アリアの手をぎゅっと握る。
アリアは涙をぬぐいながら、さらに話した。
「ままぁがねぇ……ないちょって……。だれにも、いっちゃだめって……」
「誰にも話してはいけないと?」
アレクは静かに聞き返した。
アリアは何度もうなずいた。
「うん……。ままぁが、ぜったい、ないちょって……。ありあ、ずっと、いえなかったのぉ……」
「そうだったのか……」
アレクは、幼いアリアがひとりで抱えてきた苦しみを思い、胸を痛めた。
アリアはリリアに向き直った。
「りりあちゃぁん、ごめんねぇ……。ありあ、わるいこと、ちちゃったのぉ……」
リリアはアリアの顔を見つめた。
そして、小さな腕を伸ばして、ぎゅっと抱きついた。
「ありあ、ないないちてぇ……。いっちょに、いりゅよぉ……」
アリアはリリアにしがみついて泣いた。
「りりあちゃぁん……!」
アレクは二人をそっと抱き寄せた。
「アリア、話してくれてありがとう。もう、ひとりで苦しまなくていいんだよ」
「ぱぱぁ……」
アリアはアレクの胸に顔をうずめた。
アレクの心には、ヴィクトリアへの疑いと怒りが広がっていた。
自分の娘にリリアを池へ突き落とすよう命じ、さらに誰にも話すなと言い聞かせていたのだ。
アレクは、アリアを責めることはしなかった。
まだ幼いアリアは、母親に言われたことに従い、その後ずっと苦しんでいたのだから。
リリアも、アリアの手を離さなかった。
「あうぅ……ありあ、だいしゅきぃ……」
「りりあちゃぁん……ありあも、だいしゅきぃ……」
二人は泣きながら、ぎゅっと抱き合った。
アレクは二人を見つめ、心に誓った。
もう二度と、娘たちをこのような目に遭わせない。
そして、ヴィクトリアが何をしたのか、すべてを明らかにする。
池の事件に隠されていた真実は、ついにアリア自身の口から語られたのだった。




