↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
50/109

第50話 リリア、神様に相談する!

第50話 リリア、神様に相談する!


◆◆◆光るペンダントと神様たちの助言


夜。


リリアの寝室では、ポポとピピがリリアのペンダントをのぞき込んでいた。


「さっき、ぴかってちたのぉ」


リリアはペンダントを両手で包んだ。


「でも、なにも、うちゅらなかったのだ」


ポポが首をかしげる。


「もしかして、ペンダントが眠たかったんじゃない?」


ピピが言うと、ポポは目を丸くした。


「ペンダントも眠るのだ!?」


「そんなわけないでしょぉ!」


二匹が言い合いを始めると、リリアはくすくす笑った。


「ぽぽ、ぴぴ、おもしろぉい!」


けれど、すぐに真剣な顔に戻った。


パパのことが心配だった。


神様たちからもらったお薬は、ちゃんとパパに渡せた。


それでも、ヴィクトリアと謎の人物が何かを企んでいることを、リリアはペンダントで見ていた。


パパを守るためには、もっと気をつけなければならない。


「かみしゃまぁ……おはなし、ちたいのぉ」


リリアがペンダントに小さな手を添えると、柔らかな光が広がった。


次の瞬間、リリアの目の前に、神界の景色が浮かび上がった。


創造神ゼノ、知恵と魔法の女神アテナ、運命と予言の神オルフェ、生命と動物の女神フィオナ。


四柱の神々が、リリアを迎えてくれた。


「リリア、どうしたのだ?」


ゼノが優しく尋ねた。


リリアは一生懸命に説明しようとした。


「ぺんだんと、ぴかってちたの! それでねぇ、ぱぱが、しんぱいなのぉ!」


アテナが、そっと目を細めた。


「ペンダントが光ったのですね。でも、何も映らなかった、と」


リリアはこくこくとうなずいた。


「うんっ! ぱぱ、だいじょぶ?」


「今の光だけでは、何が起きているのかまでは分からないわ」


フィオナが優しく答えた。


オルフェも静かにうなずく。


「光ったからといって、必ずしも危険が迫っているとは限らない。焦らず、確かめることが大切だよ」


リリアは、少し考えてから尋ねた。


「じゃあ、リリちゃん、なにしゅればいいのぉ?」


ゼノは穏やかな声で答えた。


「まずは、私たちに相談することだ。自分だけで危険なことをしない。それが大切なのだよ」


「うんっ! そうだんしゅる!」


リリアは元気よく返事をした。


アテナは、さらに言葉を続けた。


「それから、アレクを守るためのお薬を渡したからといって、すべて安心というわけではありません。あのお薬が防げるのは、魔法による危害です」


「まほう……?」


「そう。魔法以外の危険まで、すべて防げるわけではないの」


リリアは、真剣な顔で聞いていた。


「ぱぱ、まもりゅの……」


「ええ。でも、あなた一人ですべてを解決しようとしなくていいのよ」


フィオナがリリアの頭を優しくなでた。


「ポポとピピにも協力してもらいましょうね」


「ポポにおまかせなのだ!」


「ピピもいっしょにやる〜!」


二匹が元気よく返事をする。


リリアは安心したように笑った。


「えへへぇ!」


けれど、次の瞬間。


リリアのお腹が、きゅう、と鳴った。


「……おやちゅ、たべりゅ」


神々は、思わず顔を見合わせた。


「リリア……今は大事なお話の途中なのだが」


ゼノが苦笑する。


リリアはきょとんとした。


「だってぇ、おなか、しゅいたのぉ!」


その場に、温かな笑い声が広がった。


深刻な話の最中でも、お腹が空けばおやつが大事。


それが、いたずらっ子のリリアだった。




◆◆◆パパを守るために


神界との話を終えたリリアは、寝室に戻ってきた。


ポポとピピが、左右からリリアの顔をのぞき込む。


「リリちゃん、神様たちは何て言ってたの?」


ピピが尋ねた。


リリアは胸を張った。


「ひとりで、あぶないこと、しちゃめぇ!」


「そのとおりなのだ!」


ポポが大きくうなずく。


「それから、ぱぱのおくしゅりは、まほうをふせぐのぉ!」


「でも、何でも防げるわけじゃないんだよねぇ」


ピピが確認すると、リリアはこくりとうなずいた。


「うんっ! だから、きをちゅけりゅ!」


リリアは、パパの顔を思い浮かべた。


いつも忙しくても、リリアを抱き上げてくれるパパ。


優しく笑って、頭をなでてくれるパパ。


「ぱぱ、まもりゅの! でも、ちゃんとかんがえりゅ!」


小さな決意の言葉に、ポポとピピも真剣な顔になった。


「ポポたちも、パパを守るのだ!」


「ピピもいっしょにやる〜!」


三人は、ぎゅっと手を取り合った。


そのころ、皇帝アレクは執務室で、側近から新たな報告を受けていた。


「陛下、ローレン医師については、現在も調査を続けております。しかし、まだ決定的な証拠はございません」


アレクは静かにうなずいた。


「引き続き、慎重に調べてくれ。こちらが動いていることを、相手に悟られてはならない」


「承知いたしました」


側近が退室すると、アレクは窓の外を見つめた。


ローレン医師への疑いは消えない。


だが、確かな証拠をつかむまでは、軽率な行動はできなかった。


「必ず、真実を明らかにする……」


アレクはそうつぶやき、再び書類に目を戻した。


一方、ヴィクトリアは自室で、先ほど届いた伝言のことを考えていた。


御主人様からの次の指示は、まだ届いていない。


焦って行動すれば、計画が崩れるかもしれない。


彼女は気持ちを落ち着かせ、いつもどおりに振る舞うことを決めた。


皇帝暗殺の計画が、誰にも知られてはならない。


それが、今のヴィクトリアにとって何より重要だった。


そして、夜が更けたころ。


リリアは寝台の中で、ペンダントをそっと握っていた。


「ぱぱ……げんきでいてねぇ」


小さな声でつぶやく。


ポポは寝台のそばで丸くなり、ピピもリリアの近くで目を閉じた。


けれど、リリアのペンダントは、ほんの一瞬だけ淡く光った。


リリアは目を開けた。


「……あれぇ?」


今度も、はっきりとした映像は映らなかった。


ただ、何かが起きようとしている。


そんな気がした。


リリアはペンダントを胸元に戻し、神様たちとの約束を思い出した。


一人で勝手に動かない。


危険を感じたら、相談する。


「……あした、また、かみしゃまに、きいてみりゅ」


そうつぶやくと、リリアは目を閉じた。


小さな王女は、パパを守るためにできることを、一つずつ考え始めていた。


そして皇宮のどこかでは、誰にも知られないまま、暗殺計画が進もうとしていた。


まだ、誰もその結末を知らない。


リリアも、アレクも、そしてヴィクトリアでさえも――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。