05 空いた椅子 後編
エドモンドさんの家に着くと、マリアさんたちが玄関で待っていた。
「カイさん……」
マリアさんの目は赤く腫れていた。
「来てくださって、ありがとうございます」
「いえ。できる限りのことをします」
俺はそう答え、家の中へ入った。
居間には、エドモンドさんの身体が安置されていた。
白い布が掛けられている。
そのそばには、ダニエルさんとフェリクスくん、ナタリーちゃんが立っていた。そして、俺の後ろにはミーナもいる。
「……ミーナちゃんも来てくれたんだね。ありがとう」
マリアさんが、目元を押さえながら言った。
「うん。私も、エドモンドさんを見送るお手伝いがしたくて」
ミーナは、マリアさんの顔を見つめてから、そっと続けた。
「何かできることがあればと思って。うまく言葉にできないけど……私も、ここにいますから」
「……ありがとう」
マリアさんは小さく頷いた。
ミーナもそれ以上は何も言わず、家族のそばに静かに立った。
俺は道具を置き、白い布をそっとめくった。
損傷は激しかった。
川に流され、三日もの間、冷たい水にさらされていた。
顔にも身体にも、元の姿をとどめていない部分がある。
家族が最後に顔を見ることさえ難しい状態だった。
俺は、エドモンドさんの顔を見つめた。
……大丈夫だ
できることはある。
俺は両手を身体のそばに置き、静かに息を整えた。
指先に意識を集中する。
すると、いつも身体を整えるときに感じるものが、胸の奥から指先へと流れてきた。
最初は、かすかな熱だった。
それが徐々に強くなり、指先から淡い光がこぼれ始める。
「……え?」
ミーナが小さく声を漏らした。
光は俺の指先を離れ、エドモンドさんの身体を包み込んでいく。
白い布の上に、細い光の筋が幾重にも広がった。
まるで、見えない糸が身体の輪郭をなぞっているようだった。
光が通った場所から、少しずつ形が整っていく。
損傷した部分が、あるべき姿を取り戻していく。
ただ傷を隠しているのではない。
身体の状態を確かめながら、少しずつ修復している。
俺自身にも、どうしてここまでできるのか分からなかった。
けれど、指先から流れる力に従うように手を動かすと、次に何をすればいいのかが自然と分かる。
頭で考えるより先に、身体が動いていた。
「……すごい」
フェリクスくんが、思わず呟いた。
ダニエルさんも、目の前の光景から目を離せないようだった。
マリアさんは口元を押さえ、ナタリーちゃんはミーナの手をぎゅっと握っている。
光は、さらに強くなった。
部屋の中が淡い白色に満たされる。
窓から差し込む夕日の色さえ、薄れて見えるほどだった。
それでも、不思議と熱さはない。
強い風が吹くわけでも、何かが壊れるわけでもない。
ただ、静かな力が、エドモンドさんの身体を包み続けていた。
俺は額に汗がにじむのを感じながら、最後の調整を行った。
指先に集まっていた光が、ゆっくりと弱まっていく。
そして――。
すべての光が、音もなく消えた。
部屋に、いつもの夕暮れの光が戻る。
俺は、ゆっくりと手を下ろした。
「……終わりました」
声を出すと、少し息が乱れていることに気づいた。
ミーナが心配そうに近づいてくる。
「カイ、大丈夫?」
「ああ。少し集中しただけだ」
そう答えてから、俺はエドモンドさんを見た。
穏やかな顔が、そこにあった。
眠っているようにも見える。
もう、目を開けることはない。
けれど、家族が最後に向き合うための姿を、整えることができた。
「……こちらです。お顔を見ていただけますか」
俺は家族へ声を掛けた。
マリアさんは、ゆっくりと近づいていった。
ダニエルさんが隣に立ち、フェリクスくんとナタリーちゃんも、その後に続く。
そこには、穏やかな顔をしたエドモンドさんが横たわっていた。
「……お父さん」
マリアさんが、そっと呼びかけた。
父親の顔を見つめたまま、マリアさんはしばらく動かなかった。
「……お父さん……」
もう一度呼んだ声が、震えた。
「いつもの顔だわ……。いつも、私が食事を持っていくと、『そんなに心配しなくても大丈夫だ』って……」
言葉の途中で、マリアさんの表情が崩れた。
「……なのに、どうして……」
唇を押さえても、涙は止まらなかった。
「もっと話せばよかった……。お母さんが亡くなってから、毎日ご飯を作りに来ていたのに……。お父さんが寂しくないか、何か困っていないか、心配ばかりして……」
マリアさんは、父親の顔を見つめたまま、首を横に振った。
「なのに、私……お父さんが本当は何を思っていたのか、ちゃんと聞いてあげられなかった……!」
その場に膝をつき、父親の手を握る。
「ごめんなさい、お父さん……。もっと話したかった……。もっと、一緒にいてあげたかった……!」
声を押し殺そうとしても、嗚咽がこぼれた。
ダニエルさんが、そっと妻の肩を抱いた。
「マリア……」
けれど、マリアさんはしばらく泣き続けていた。
「……お父さんも、私に心配をかけたくなかったのかな……。私が心配するから、寂しいとも、つらいとも言わなかったのかな……」
俺には、答えられなかった。
エドモンドさんが何を思っていたのか。
それを、俺が勝手に決めることはできない。
ただ、マリアさんの言葉を聞いていた。
やがて、フェリクスくんが一歩前へ出た。
「……おじいちゃん」
少年は、祖父の顔をじっと見つめた。
「俺、もっと話したかった。昔のことも、父さんたちが子供だった頃のことも……聞きたいことが、まだいっぱいあったのに」
フェリクスくんは、拳を握りしめた。
「でも、いつでも聞けると思ってたんだ。今度会ったときでいいやって……ずっと、そう思ってた」
声が震え、少年は顔を伏せた。
「……今度なんて、もうないんだな」
その隣で、ナタリーちゃんが小さく泣いていた。
「おじいちゃん、また来るって言ってたのに……」
幼い手が、白い布の端を握る。
「また、お菓子を持ってきてくれるって……」
ダニエルさんは娘の背中を撫でた。
「……ナタリー」
「だって……!」
ナタリーちゃんは顔を上げた。
「おじいちゃん、いつも約束を守ってくれたもん!」
その言葉に、誰も何も返せなかった。
家族の中に、静かな泣き声だけが残った。
♢♢♢♢♢
俺は少し離れた場所から、家族の姿を見守っていた。
そのとき、窓際に置かれた揺り椅子が目に留まった。
古い椅子だった。
木の表面には細かな傷があり、脚には何度も修理した跡が残っている。
それでも、丁寧に手入れされてきたことが分かった。
「……その椅子は?」
俺が尋ねると、マリアさんは窓辺の揺り椅子に目を向けた。
「母が、ずっと使っていたものです」
「セシリアさんが?」
「はい。父が若い頃に作ったもので、母の誕生日に贈ったと聞いています。父は、こういうものを作るのが得意だったわけではないんですけど……」
マリアさんは、椅子の背もたれにそっと目を向けた。
「母は、とても気に入っていたそうです。何度も修理しながら、ずっと使っていたと聞いています」
俺は椅子を見つめた。
不思議だった。
故人の身体を整えているときに感じるものとは、少し違う。けれど、胸の奥で何かが静かに揺れている。
この椅子には、二人が過ごした時間が残っている。
そんな気がした。
「……触れてもいいですか?」
俺が尋ねると、マリアさんは驚いたように俺を見た。
「この椅子に、ですか?」
「はい。少し気になることがあるんです。何か分かるとは限りませんが……」
マリアさんは椅子と俺を交互に見た。
大切なお母さんの思い出が残る品だ。迷うのも無理はない。
やがて、マリアさんはゆっくりと頷いた。
「……はい。カイさんが必要だと思うのなら、お願いします」
そう言って、椅子のそばを空けてくれた。
俺は、そっと椅子の背に手を置いた。
その瞬間、指先から胸の奥へ、かすかな熱が伝わった。
身体を整えるときとは違う感覚が、ゆっくりと広がっていく。
目の前の景色が揺らいだ。
窓辺も、家族の姿も、夕暮れの光も、輪郭を失っていく。
そして――。
見知らぬ部屋の光景が、目の前に浮かび上がった。
今よりずっと若いエドモンドさんが、木材を前に座っていた。
その手には工具が握られている。
何度も木材を削り、形を確かめ、継ぎ目を合わせる。
うまくいかないのか、エドモンドさんは何度も首を傾げていた。
その隣には、若い女性がいた。
「……まだできないの?」
「もう少しだ」
「さっきも、そう言ってたわよ」
「……今度こそだ」
エドモンドさんは真剣だった。
やがて、少し不格好な揺り椅子が完成した。
曲線は左右でわずかに違い、肘掛けも少しだけ歪んでいる。
それでも、エドモンドさんは椅子を見つめていた。
「……誕生日、おめでとう。うまくできたかは分からないが……君に使ってほしくて作ったんだ」
女性は、驚いたように目を見開いた。
「……私のために?」
「ああ。気に入ってもらえるといいんだが」
女性は、椅子にそっと腰を下ろした。
ゆっくりと前後に揺れる。
小さな軋む音がした。
「……少し、音がするわね」
「……悪い。直す」
「ううん。ありがとう。私、この椅子が好きよ」
女性が笑うと、エドモンドさんは照れくさそうに視線を逸らした。
その様子を見ているうちに、周囲の景色が少しずつ移り変わっていった。
年月が流れていた。
肘掛けが擦れ、継ぎ目が緩み、木の表面に細かな傷が増えていく。
そのたびに、エドモンドさんは椅子を直していた。
黙って、丁寧に。
女性は、その椅子に座り続けた。
窓の外を眺めるときも、編み物をするときも、エドモンドさんの帰りを待つときも。
やがて、二人は年を重ねていた。
年老いた女性が椅子に座って笑い、その隣には、同じように年を重ねたエドモンドさんがいる。
特別な言葉はない。
ただ、二人は同じ部屋で、同じ時間を過ごしていた。
その光景が、淡い光に包まれていく。
若い頃の二人。
年を重ねた二人。
椅子を直す手。
その椅子に腰掛け、窓の外を眺める女性。
そして、隣で静かに笑うエドモンドさん。
二人が過ごしてきた年月が、幾重にも重なり、目の前に浮かび上がっていた。
俺は息を呑んだ。
……いったい、何が起きているんだ?
故人に関わる物に触れて、声や過去の光景を感じ取ったことはある。
けれど、こんなふうに、目の前に光景が広がったことはなかった。
しかも――。
「……お母さん?」
背後から、小さな声が聞こえた。
振り返ると、マリアさんが目を見開いていた。
その視線は、俺ではなく、目の前に浮かぶ光景へ向けられている。
ダニエルさんも、フェリクスくんも、ナタリーちゃんも。
全員が、同じものを見ていた。
「……これは……」
マリアさんの声が震えた。
光の中では、年老いた母親が窓辺で編み物をしている。
父親が帰ってくると、彼女は顔を上げて笑った。
「おかえりなさい」
「ああ。ただいま」
短い会話だった。
けれど、その光景を見つめるマリアさんの頬を、涙が伝っていた。
「……お母さん、こんなに嬉しそうに笑っていたんだ」
フェリクスくんも、目を見開いたまま動けずにいた。
「おじいちゃん……」
ナタリーちゃんは、光の中の祖母を見つめている。
やがて、女性が椅子から立ち上がり、エドモンドさんのそばへ歩み寄った。
二人の姿が、ゆっくりと薄れていく。
最後に残ったのは、並んで窓の外を眺める二人の姿だった。
そして――。
光が消えた。
居間に、静けさが戻った。
俺は椅子から手を離した。
身体に力が入らず、思わず一歩後ろへ下がる。
「カイ!」
ミーナが駆け寄ってきた。
「大丈夫?」
「ああ。……少し、力を使いすぎたみたいだ」
俺は息を整えながら答えた。
何が起きたのか、俺自身にもよく分からない。
今まで、故人に関わる物に触れて、声や過去の光景を感じ取ったことはある。
けれど、俺が感じ取った光景が、家族にも見えるなんて。
それも、こんなにはっきりと。
「……今のは、カイさんが?」
マリアさんが、震える声で尋ねた。
「俺には、故人に関わる物に触れると、その人の声が聞こえたり、昔の光景が見えたりすることがあるんです。そういうスキルがあるみたいで……」
俺は、窓辺の椅子に目を向けた。
「でも、今回のように、皆さんにも同じ光景が見えたのは初めてです。俺も驚いています」
「昔の光景……」
マリアさんは、確かめるように呟き、窓辺の椅子へ視線を移した。
「はい。エドモンドさんと、奥さんが若い頃から過ごしてきた時間のように感じました」
マリアさんは、窓辺の椅子を見つめた。
「……お母さん」
小さく呟いてから、涙を拭った。
「お父さんは、何も言わなかったけど……お母さんのことを、ずっと大切にしていたのね」
ダニエルさんが、妻の肩に手を置いた。
「そうだね」
フェリクスくんは、祖父の顔を思い浮かべるように、静かに俯いた。
「……おじいちゃん、ちゃんと伝えてたんだな」
フェリクスくんの言葉に、俺は胸の奥が熱くなった。
言葉にしなくても、祖父が祖母を大切にしていたことは、あの光景を見れば伝わったのだろう。
俺は、家族の姿を見つめた。
いなくなった人が、本当に戻ってくるわけではない。それでも、共に過ごした時間まで消えてしまうわけじゃない。
窓辺の椅子に残った傷も、何度も直された跡も。その一つひとつが、エドモンドさんとセシリアさんが積み重ねてきた年月を物語っていた。
俺が見た光景が、どこまで正確な記憶なのか。
それは断言できない。なぜ家族にも同じ光景が見えたのかも、まだ分からなかった。
それでも、二人が共に過ごした時間を、家族にも見てもらえた。
俺は、もう一度、窓辺の椅子に目を向けた。
そこに残されていたのは、古びた椅子だけではない。
二人が共に生きてきた日々と、言葉にしきれなかった想いだった。
それを家族に届けられたのなら、今はそれでよかった。
♢♢♢♢♢
俺は、エドモンドさんのそばへ戻った。
整え終えた身体は、穏やかな姿を保っている。
その顔を見つめながら、俺は小さく息を吐いた。
そのときだった。
胸の奥に、かすかな熱が広がった。
……っ
声が聞こえた。
――あの人の席は、空けておいてくれ
エドモンドさんの声だった。
俺は目を閉じた。
その言葉は、誰かに命じるようなものではなかった。
ただ、静かな願いのように聞こえた。
――あの人の席は、空けておいてくれ
声は、それだけだった。
俺は、ゆっくりと目を開けた。
目の前には、エドモンドさんがいる。
もう、声は聞こえない。
けれど、その言葉だけが胸の奥に残っていた。
俺は、家族へ向き直った。
「……エドモンドさんの声が、聞こえました」
四人が、驚いたように俺を見る。
「声……?」
マリアさんが尋ねた。
「はい。俺にも、どういう意味なのかは分かりません。ただ……」
俺は、窓辺の揺り椅子を見た。
「『あの人の席は、空けておいてくれ』と」
マリアさんは、息を呑んだ。
ダニエルさんも、椅子へ視線を向ける。
フェリクスくんは、目を見開いたまま動かなかった。
ナタリーちゃんが、小さく呟いた。
「……おばあちゃんの席?」
誰も、すぐには答えなかった。
やがて、マリアさんが椅子へ近づいた。
背もたれに、そっと手を置く。
「……お父さん」
声が震えていた。
「お母さんが、いつもここに座っていたから……。お父さんにとって、ここはお母さんの場所だったのね」
マリアさんは、父親の顔を振り返った。
「お母さんが亡くなっても、この場所までなくしたくなかったんだ……」
涙を拭い、もう一度、揺り椅子に目を向ける。
「……私、ずっと心配だったの。お母さんがいなくなってから、お父さんが寂しい思いをしているんじゃないかって」
父親の顔を見る。
「でも、お父さんは何も言わなかったから……。私も、どう聞けばいいのか分からなかった」
マリアさんは、ゆっくりと首を振った。
「……お父さんは、お母さんを忘れたかったんじゃないのね。ただ、ここに残しておきたかったんだ」
ダニエルさんが、妻の肩に手を置いた。
「……二人が一緒に過ごした場所だからね」
マリアさんは、小さく頷いた。
それから、椅子を見つめて言った。
「お父さん。この椅子、まだここに置いておくね」
その言葉を聞いて、フェリクスくんが顔を上げた。
「……俺も、ここに来たら座っていい?」
「もちろん」
マリアさんは涙を拭きながら笑った。
「おじいちゃんとおばあちゃんの椅子だもの。みんなで大切に使いましょう」
ナタリーちゃんも、椅子にそっと触れた。
「……おばあちゃん、ここにいるみたい」
その言葉に、俺は胸の奥が熱くなった。
いなくなった人が、本当に戻ってくるわけではない。
それでも、共に過ごした時間は消えない。
椅子に残った傷も、何度も直された跡も。
その一つひとつが、二人の暮らしを伝えていた。
♢♢♢♢♢
その後、マリアさんたちはエドモンドさんのそばで、静かに時間を過ごした。
フェリクスくんは、祖父に話したかったことを一つずつ語った。
ナタリーちゃんは、祖母と過ごした思い出を話した。
ダニエルさんは、エドモンドさんが家族のためにしてくれたことを思い出しながら、妻の隣に座っていた。
マリアさんは、父の手をそっと握っていた。
「……お父さん」
最後に、マリアさんが小さく呼びかけた。
「今まで、ありがとう」
その声は、もう震えていなかった。
「お母さんのことも、私たちのことも……大切にしてくれて、ありがとう」
マリアさんは父親の手をそっと握り、穏やかな表情を浮かべた。
「これからは、私たちがこの家を守るからね」
窓の外では、夕暮れがゆっくりと夜へ変わり始めていた。
揺り椅子は、いつもの場所にある。
空いたままの席。
けれど、もう誰も、それを見て不安そうな顔はしなかった。
そこには、セシリアさんが過ごした時間が残っている。
そして、エドモンドさんが大切にしてきた想いも。
俺は、二人のそばに立っていた。
亡くなった人の声は、もう本人から聞くことができない。
それでも、ときどき、残されたものを通じて、何かが伝わることがある。
それが本当に故人の想いなのか、俺にはまだ分からない。
けれど、家族がその言葉を受け取り、自分たちの気持ちと向き合うきっかけになるのなら。
俺にできることは、きっとある。
俺は、もう一度エドモンドさんの顔を見た。
「……ゆっくり休んでください」
小さく、そう告げた。
窓辺の椅子が、風に揺れたわけでもないのに、かすかに軋んだ。
その音は、長い年月を共に過ごした二人の暮らしを、そっと思い出させるようだった。
俺は、道具を片づけ始めた。
家族の時間は、まだ続いている。
そして、この家に残された想いも、これから先へとつながっていく。
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