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【余談】南洋諸国にとっての1991年以降

 南洋諸国つまりポリネシア、メラネシア、ミクロネシアの1991年以降を記述する。なおポリネシアにはアメリカ合衆国ハワイ州が、ミクロネシアには小笠原(日本)とグアムとサイパンが含まれる。なんと1988年まで国連信託統治領と称した植民地があった。今で言うミクロネシア連邦やマーシャル諸島の事である。独立しても独自の軍隊を持っていない。米国委託である。原爆や水爆の実験場にされ今でも極貧を強いられている。そんな国でも先進国に達しそうな国がある。パラオである。実はミクロネシア連邦、マーシャル諸島、パラオはいずれも戦前は日本領である。

 1991年以降資源が枯渇して一旦破産した国がある。ナウルである。しかしナウルを除けば基本的に経済がうまくいき始めた……かに見えた。

 そうはならなかったのだ。海面上昇である。他の地域では見られない現象が起き始めたのだ。このままではキリバスなどは国家が消滅すると言われている。なんと国土が水没してしまうのだ。つまり南洋諸国にとって1991年以降は環境問題もっというと温暖化の戦いへとフェーズが以降したのだ。やっぱりここでも1991年で線が引けるのだ。ツバルとマーシャル諸島も「消滅」の危機にある。

 信じられないことにフランス領カレドニアでフランスからの独立運動が起きた。紛争となった。このように南洋諸国はまだまだ「植民地」が多い。今までは極貧だったから独立するより植民地のままでいた方が豊かな生活ができるとした地域も多いがこうやって今更独立運動や紛争が起きる地域だってある。余談だが我々がよく行くグアムはチャモロ人の国でありグアム準州というアメリカの植民地である。プエルトリコと同じなのだ。周りがカナダ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、日本と全部西側諸国に囲まれていた分原爆実験を除き唯一冷戦と無関係だったこの地域はいまさら独立に目覚めている。それだけ観光が国を豊かにしたのだ。意外かもしれないがジェット旅客機によって庶民が旅を自由に出来るようになったのは「ボーイング747」のおかげである。通称「ジャンボジェット」と言えば分かるだろうか。1970年頃に初就航した。「ボーイング747」は500名以上を一気に載せる航空機のおかげで金持ちだけの旅だった航空機を庶民のものにしたのだ。ゆえにフランス本土からフランス領カレドニアに行く便が2025年現在「国内線最遠」の便にして世界最遠の便である。ということで今まで文明と無縁だった島に滑走路を設置しただけで次々現代文明が入っていき観光地となっていく。その時民俗を守るための力を目覚めさせたのだ。それだけ観光公害が深刻になったのだ。これだけ聞くと「そんなもんは1960年代からあってその時に独立してないとおかしい」という声も聞こえてきそうだ。たしかにこの時期に独立したサモアやキリバスなどの国も多い。でも忘れてないか?


 ――航空機というのはもっと低廉なものが登場したということに


 それがLCCである。つまり南洋諸国観光の定番であるハワイ・グアムでは満足できなくなった観光客が「安くて便利」な格安航空を使って大量に来たのである。なぜLCCなるものが可能になったのか。それは初期の「ボーイング747」では実現できなかった「航空機関士レス」つまり2名乗務を可能にして人件費を削減したのと燃費が格段に良くなったからである。つまり航空機はデジタル化して中身が格段に進化したのである。最終型「ボーイング747」と「ボーイング777」(筆者注:777は「トリプルセブン」と呼ぶ)だと燃費は約3倍も違うらしい。80年代後半に登場したウイングレッドの登場も大きい。ウイングレッドを装備しただけで燃費は1割向上したというのだ。つまり燃費が30年で約3分1になるほど航空機というのはより当たり前の存在になったのだ。「ボーイング747」のグラスコックピット化+2名乗務化は1988年である。旅客機で航空機関士がようやく消えたのは1991年頃である。


 ね? やっぱり1991年で線が引けるよ。


 じつは貨物航空機はほとんどが旅客型の引退後に貨物型へ改修がなされて再出発する(新型貨物航空機を買う企業はそれほど多くない)。そうなんですね、貨物航空機の恩恵を南洋諸国も受け始めるわけ。こういう離島は巨大な商船ではなく物は貨物航空機で運ばれてくるのだ。つまり物流革命というものがなんと冷戦後に次々やってきたわけ。


 それでも南洋諸国にはボーイング747のような巨大な航空機が着陸出来るような滑走路は少ないって言い張ります? そのためにボーイング737というものが出来たのでしょうに。エアステアまで装備してるのでボーディングブリッジを必要としないのである。こちらも1970年直前のデビューだが2名乗務化で格段に進歩を遂げた。


 こうして南洋諸国は「船」が主流の時代をようやく終えた。その線が1991年だったのだろう。このように歴史というものは文明の進化によってガラッと変わる時があるのだ。さっきっから航空機の話ばかりしてるがそのくらい南洋諸国にとって航空機というものは生命線だと思ってくれ。なんせ飲料水すらも航空機から運ばれてくるのだ。淡水化技術と上下水道水の普及はまだまだ行われていない国も多い。日本の常識で考えてはだめなのだ。


 なので南洋諸国ほど新型コロナで経済が大ダメージを負った。観光客が来ない上に収入源を絶たれたからだ。なおこういうリゾートアイランドは墜落事故1つ起きただけでその国の要人の死亡が発生したり恐慌になったりする。航空機が国の命運を担っているのだ。

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