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異世界のんびり漫遊記  作者: カイ
第6章 王都近くのダンジョン編〜

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215、間に合ったね!

前だけではなく、後ろからの襲撃者も警戒しながら進んでいる。


俺が索敵魔法を使いだしてから暫く経つが、後ろの奴らは一定の距離を開けたまま何もしてこない。

その間あったのは前方からの魔物の出現くらいだが、それもあのスノービークの修羅場をくぐり抜けた俺たちには全く脅威にはならない。


そんな感じでしばらく歩くと、スコットさん達の先導のおかげで迷いもせずに2階層への階段の所にたどり着く。


「やっぱり何回も来ているから、案外道を覚えているもんだな。」

「だな!でも俺は10階層までしか覚えてないんだけど……スコットは?」

「俺も似たようなもんだ。まぁ、別に道が分からなくたってあちこち探索すれば良いことだからな。それにその方が宝箱も手に入って良いと思うが。」

「そりゃ、そうだな。今は早く休憩所に着きたいから宝箱を取っていかないけど、5階層以降は取りながら進もうぜ。そのくらいから多少良いものが手に入るからな。」

「そうだな。みんなもそれでいいか?」


スコットさんが振り向かずに後ろのメンバーに声を掛ける。

もちろんみんなの返事は「OK!」だ。


ちなみに1〜3階層の宝箱では下級の回復薬、4〜6階層では中級の回復薬とたまに武器や防具が手に入るらしい。

7階層以降は上級の回復薬と武器や防具、それとたまにお肉とかの食材も入っていることがあるそうだ。

食材の鮮度は大丈夫なのかと心配になるが、宝箱自体が時間停止の魔導具になっているらしく、鮮度抜群の食材が手に入るそうな。

ちなみに宝箱は開けて中身を取り出すと空気に溶けるように消え去るんだって!

宝箱が消えないならそれも良い『お土産』になるんだけど、残念だよねぇ〜。



そんな感じであっという間に5階層へと続く階段へとやってきた。

ここまでの間に結構な数の冒険者グループがいたが、こちらが挨拶して通っていくと、きちんと挨拶を返してくれる人たちばかりだった。

一組も嫌な顔をしたりする人たちはいなかったよ。

意外とこのダンジョンにやってくる冒険者はちゃんとした人たちが多いのかもしれないね。



5階層の階段を降りると、そこは今までとちょっと雰囲気が違うところだった。

4階層まではレンガみたいに四角くて大きな石が積まれているような壁に四方囲まれた通路だったが、この5階層はまるで地上の森の中にいるみたい。

いわゆる「フィールド型」と呼ばれる階層のようだ。


「ここからは壁がないから、森にいる時と同じ様に索敵魔法も使えるんだ。」

「その分、敵が四方八方こら現れるしで気を抜けないんだがな。」

「まぁ、それは普通に森の中も同じだろう?あ、ちなみにこのフィールドの一部が安全に休める場所になっている。そこは安全を確保されていることを示すように、周りを木製の塀で囲まれたかなり広い広場になっているから分かりやすいと思う。この階層から先の休憩所は更に5階層上にあるから、今日はこの階層の休憩所で休むっていう冒険者は多いと思う。」


なるほど、確かにもうそろそろ地上では夕方になる頃だと思う……お腹の空き具合からみて。

この階層では俺の索敵も今までとは違って、まるで地上で使っているかのように範囲がかなり広くなった。

……まぁ、それでも地上よりは狭いけどね。


ふと、俺の索敵魔法になんかヤバそうな反応をしている光が近場にあった。

それはどうやら魔物の集団と人の集団が戦っているらしく、魔物に人のほうが押されているようで……魔物の数も減ってはいるが数人の光も薄くなってきている。


「リッキー、まずいぞ!俺は先に行く!」

「えっ!?どうした!?」


俺はリッキーにそう告げると、一気にスピードを上げてその集団に向かった。


俺が向かった先では倒れている人に向かって魔物が襲いかかろうとしているところだった。

俺は咄嗟に魔物から倒れている人を守るために結界を張る。

それは人の体に強固な薄い膜を張るイメージでかけたので、魔物が一緒に結界に入ることはないはずだ。

案の定、魔物の攻撃は彼らに張った結界で防がれていてダメージを与えられないようだ。

……多少の衝撃は我慢して欲しい。


俺はその間に次々と襲いかかっている魔物を討伐していく。

早く倒さないと彼らの命の火が消えてしまう!


俺は魔物を討伐しながら神聖魔法での回復魔法を用意しておき、討伐完了と同時に結界を解除して用意しておいた回復魔法を全力で倒れている全ての人にかけた。

すると彼らはみるみると重傷な怪我が癒えていく。


彼らの体が元に戻っていくにつれて俺の出したままになっていた索敵魔法での彼らの光が、薄っすらとしていたものから段々はっきりとしたものへと変化する。


あぁ……良かった、間に合ったみたい。

俺がホッとして彼らを見守っていると、俺を追ってきたリッキー達が走ってやってきた。


「お……前ッ、速すぎっ……!」


先頭で走ってきたリッキーが息を切らしながらそう言った。ごめん、緊急だったんだよ!


その後みんなの呼吸が整うまで待って、一体何があったのかを説明する。


「……そっか、それはしょうがないな、人命救助が最優先だ。ところで彼らはもう大丈夫なのか?」


スコットさんが倒れている彼らをあちこちから運んできて木に寄りかからせながら俺に問う。


「うん、もう大丈夫だよ。俺の索敵魔法に映っている彼らの光も薄いものからしっかりしたものになっているから。よかったよ、間に合って。」


俺がスコットさんにそう答えると、今度はリッキーが聞いてきた。


「で、この後彼らはどうするんだ?できれば安全地帯へと運びたいんだが……鞄に入れていくか?」

「ああ、そうだね、その方が楽だよね。」

「だが休憩所の中に誰もいない状態ならその場に鞄から出せて良いんだが、誰かいるようならすぐ近くまで来たら見えない位置で彼らを出すしかないな。」

「まぁ、とりあえず彼らを連れて行こうか。流石にこの場は俺たちの人数が多いから良いが、早めに移動したほうが良いのは間違いないからな。」


そうだよね、さっきまで魔物が集団でいたくらいだ、また集団でやってきても不思議じゃない。

俺はさっさと彼らを鞄へと入れていく。

こういう時、この鞄って便利だな!と思えるよね〜。


移動の準備が完了すると、俺たちは休憩所へとすぐに向かう。

早く彼らを安全地帯で休ませてあげないとね!

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