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侵略者  作者: 京衛武百十
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更新

「でも、狭いところに閉じ込められて栄養を与え続けられるとその環境が快適過ぎてスイッチが入らない感じかもしれない。イレーナもそう言ってる」


「イレーナ…!? そうだよ、分裂しないっていうのならイレーナはどうなる!?」


イレーナの名前が出た瞬間、ベルカが険しい顔で問い詰めてきた。もし更新されずに寿命を迎えてしまうなら、研究施設に捕らえられているというイレーナと融合したブロブが更新せずに死んでしまったらイレーナはどうなるのか?


しかしその心配に対してマリーベルは冷静だった。


「あ~、それは大丈夫だよ。この前、イレーナを呼び出しただろ? あれ、研究施設の中のイレーナをここに連れてきたんじゃないんだ。イレーナとヌラッカを同期させたんだよ。だからもう、ヌラッカの中にもイレーナがいる。


それに、死ぬ時には自分の中の情報を全部吐き出すんだ。更新した個体が近くにいればそいつが受け取るけど、いなければ全体に流される。だから失われない」


マリーベルの説明に、ベルカはどこかまだ半信半疑という感じで、


「それ、ホントなのか?」


とも問い掛けた。


「それは大丈夫。ヌラッカの更新の時に確認したから。私もそれは気になってたんだよ。ブロブが死ぬと情報はどうなるのかって。で、二代目のヌラッカが死んだ時に情報が三代目に引き継がれるのを確認した。


んで、その上で、腕とかがこうなってより確実に交信できるようになってから、ブロブ自身の記憶を見たんだ。更新前に人間とかに殺されたすべてのブロブの記憶もしっかり残ってたよ。人間に殺される時の記憶がね」


ベルカの目を睨み返す感じで、マリーベルは答えた。それに、ベルカがギョッとしたような顔になる。イレーナの仇をとる為に村に行った際、大量発生したブロブを自分でも覚えてないくらい何匹も殺した時のことが頭をよぎってしまったのだ。その時のことを言われたのだと思った。


言葉に詰まったベルカに対し、マリーベルは「ふん」と鼻を鳴らし視線を逸らした。


「今になってそんな顔するぐらいなら殺すなよ。


まあ、殺される覚悟くらいはしてたかもしれないけど、さすがに自分が殺した奴の記憶がまるまる残るとかは、人間には想像もできないだろうけどね」


確かに、マリーベルの言う通りだった。


よく、『殺していいのは殺される覚悟のある奴だけだ』みたいなことが言われるが、それさえ、自分が殺した相手の記憶も何もかもが他の誰かに受け継がれるなど、人間は想定しない。


自分がその相手を殺した瞬間のことまでも、誰かがそのまま覚えているなどということなど。



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