表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
316/325

第313話:大逆転

 南2局。親は今日子。

 ドラは六索。

 ここからどう手を伸ばす───。

 また七対子? それともポンからの加槓でドラを増やして一発逆転を狙うか?


(いや───)


 小百合は腹を括って、どの形に向けて手を進めるかを決めた。

 ここから絶対にブレないという───覚悟。

 粛々と、牌が切られてゆく。小百合と綾乃はそのまま面前で手を進める形に。

 今日子は六筒を、由香は白をそれぞれ鳴いていた。

 9巡目にはイーシャンテン。必要牌はまだ山にたくさん残っている。


(まだよ……)


 次の巡には、また牌が入ってきた。手が進む。

 そして10巡目───テンパイ。


「リーチ」


『リーチデス』という女性の電子音声が響くなか、小百合は1,000点棒を取り出し、並べる。 


 来い!

 ……2巡目に切った牌───九萬だった。


(まだよ……!)


「私も張ったよ」


 ニンマリと笑った綾乃が、点棒入れを開ける。


「リーチ!」


「部長、リーチしていいんですかね?」


 後ろで紗枝が和弥にそっと聞く。


「多分役無しなんだろう。でも先輩の状態からして赤もドラもある好形……」


 絶対にここで引く訳にはいかない。最後のチャンスだ。

 望みを託して、ツモって来た九萬を切った。


「ポン!」


 今の九萬鳴きで、三副露(フーロ)。これで由香の手牌は四枚。

 ───さすがに聴牌テンパイだろう。

 ポンなので、ツモらず由香の手牌から牌を切る。


(来い!)


 ……八索。当たり牌ではない。

 そして、自分のツモ───


 タァーンッ

 指を離す。四索だった。

 来た───


「……ツモ」


 小百合のツモだった。

 倒した牌を見た綾乃の表情が凍りつく。


「メンピン・ツモ・三色・ドラ。3,000・6,000」

挿絵(By みてみん)

「な……」


 裏も乗ったけどこの際関係ない。


「……まだよ。最後に1,000・2,000をアガれば、私の勝利だ」


 とはいえ驚嘆する3人───いや、後ろの和弥・紗枝・莉子の3人である。

 自分も予想していなかったタイミングで当たり牌が来たため、これ以上の言葉が出て来ない。

 そして───


「ははっ――」


「あっはっは!」


 さっきまでの張りつめていた空気が嘘だったかのように、一斉に笑いだした。

 周囲の客が、一体何事かと全員振り返るように。


「はぁー……面白かった……」


「そ、そこでっ……三色までもっちくんださゆりん」


「久々に……こんな大逆転をしましたよ」


「……まだよ。最後に1,000・2,000をアガれば、私の勝利だ」


 意図してできたことではない。偶然の積み重なりの結果がこの大逆転劇だった。

 自分の理想通りから来る刺激に、脳内麻薬(ドーパミン)が溢れ出てくる。


(私は自分の麻雀を打つだけ)


 南3局。小百合の親。


「ツモ。タンヤオ・ドラドラ。4,000オール」


 トドメの親満を、小百合が上がった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ