エルフの里編パート2
朝起きるとアインスさんはもう裁判の事を考えていた。一応俺を見捨てる気はないらしく頑張ってくれているが罪が罪だ多分無理だろう。
にしても縮地か、肺が弱いなら多分エルフは運動が苦手な筈だ。それを補うにはうってつけの魔法だろう。
そういえば魔法を使うのに消費するのは知識と言ってたな、そして縮地の様な大掛かりな魔法は知識を消費する量もすごいと、ならエルフは勉強が楽なのかな?そうなら現代社会でも活躍できるかな?いや、環境問題が騒がれてるから無理か。しっかし俺にも縮地が使えれば良いのだが、普通人間が縮地を使うと廃人になるって言ってたし無理か。......いや、俺には人一倍知識があったんじゃないか、しかも俺がここで生きてる内には使わなそうな。これなら生き延びれる。
「あの、アインスさん。俺に魔法を教えてくれないか?」
「えっ、魔法ですか?そんなの覚えても裁判には勝てませんよ。」
やっぱりアインスは困惑してるようだ。
普通なら勝つのに必要ないだろうが俺には必要だ。
「ほら、僕がたとえば、そう。縮地なんかを使えたら貴重でしょ?そうなれば直ぐに処刑するのは勿体無くなるわけだ。一応兵器の技術は沢山もってるけど貴方達には必要ないからね。」
「はぁ、何を言い出すかと思えばそんな事を。
わかります?確かに貴方が縮地を使えたらそれは凄いですし、私なら何故人間の貴方が使えるのか研究しようと思いますよ。でも、みんなの恨みはそんなことではやわらぐ事はないでしょうしそもそも貴方に出来るわけがありません!」
まぁ、概ね想定通りの反応だな。
「どうせまともに戦っても勝てないんだ。なら少しでもやれる事をやっておきたいし、魔法を使ってみたかったしね。」
「それが本音ですか、私はそんな馬鹿な人間を助けるつもりはありません。貴方が廃人になった場合は迷わず弁護を適当にするだけなので、いいですよ。」
そう言うとアインスは机から一枚の紙を取り出した。
「この紙に縮地法のやり方が書いてあります。
後はご自由に〜。あっ、後私は寝てくるんで起こさないで下さいね。あぁ、貴方は故意にエルフを殺害したわけじゃないので助けられると思ってましたが、こんな奴ならさっさと死刑になればいいんですよ。」
「う、うん分かったよ。」
そう言うとアインスさんはすぐに部屋を出ていった、
最後の方アインスさん凄く俺を睨んでたなー。
俺を救う為に頑張ってくれてたけど、どうせ意味なかったしいいよね。そんなことを思いつつ紙に手を伸ばす。確かにそこには縮地法のやり方みたいなのが書いてあった。しかしこんなペラ紙一枚に収まる動作で人一生分の知識を使い果たしてしまうと言うのはなんか残酷だ。
「えっと、『まずは行きたい場所を考える。そしてその場所までの道を思い出す。それをしたら目を瞑り縮地と唱えろ。そうすれば一瞬の内に地は縮み目的地にたどり着けるだろう。但し地は一瞬で元に戻る為相手からは瞬間移動に見える。』か、内容が薄いなぁ。」
その後は絵が描いてあるだけでこの手の魔法にありがちなカッコいい動作はなかった。
「実戦的な魔法はつまらねぇな。ま、せっかくだしやっとくか。」
しかし覚えてる道なんて長老の家からこの部屋までしかない。いや、それで良い。長老にも見せつけられるし、だいたい500mはあったからちょうどいいだろ。
「早速だ!緊張するがいくぜぇ!(チュチ!!)」
そう唱えた瞬間記憶がいや、知識が飛んで行く。若干気持ちいいそれがすぎていくそして目を開く。すると腰を抜かした長老がいた。多分成功だ。
「よう、ひさびさだな?長老さん?」
「な、なんで君がここに⁈ま、まさか縮地を?いや、人間が使えるわけ、」
「あるんだなぁ、これが!」
そしてそこら辺に落ちていた銃を拾い上げびびっている長老にむける。
「凄いでしょ?ほ〜ら、廃人じゃないですよ〜。
クックク!傑作だぜ今のあんたのか〜お。200年だったか?そんだけ生きてきてもそんなに間抜けになれるんだな!」
「ひぃぃぃぃいい!殺さないでぇぇぇ!」
「黙れよ!」
長老の頭に銃口を突きつける。
「あぁ、殺しはしないさぁ。でもねぇ、自業自得だろ?こうなったの。あんたらが早く言ってくれたら対策できたよ?」
「うっ、さっ最初からそんなごとぉぉわかってるぅって思ってたんだぁ!」
「ていうか、さっきから傲慢なんだよ!あんたらお得意の縮地ぐらい簡単に出来るんだよ!つまりオマエラはただの肺の弱いゴミだ!そしてこっちには銃も沢山あるんだよ!縮地する前に叩き潰してやる!」
フハハハハハ!愉快だ!やっぱり最初のあれは理不尽だと思う。だが、今の俺はエルフの秘術を使いそのエルフの長老の生殺与奪の権利を完全に握っている。生まれてこのかたない愉快さだ!あのまま裁判に出てたらこんな愉快な気分にはなれなかっただろう。このままエルフの里を支配して、魔法研究所にしてやる!なにせ長老をこうして支配すればこの里の究極の指揮権を手に入れるのはこの俺だ。そしてその力でこの異世界の支配者になってやる。
「うっ、......バカめ、詠唱は終わったよ。」
なんだ⁈いきなり長老の雰囲気が変わった?不味い予感がするここは逃げるしか、
「フハハハハハ!久々に面白い物を見せてもらったよ。だけど、君はエルフを舐めすぎだ!」
そう言うと長老の体が宙に浮き強風が吹き荒れ、禍々しい模様が宙に現れる。
「不味いぞ、ここは人質を、(チュチ!)」
また縮地を使い部屋に戻るそして隣の部屋のドアを開ける。
「アインス!すまないな。」
「えっ、何を!?」
アインスを拘束し長老のいた方向に向ける。
「こっ、こっちには人質がいるんだ!その変な魔法を使ってみろ!俺はこいつを殺す!」
「えっ!えっ、どういうことなんですか⁈」
「うるせぇ、人質は黙れ!」
これで助かる筈だ。
『(本当に愚かだね君は。)』
頭の中に直接長老の声が響く。
「そんな悪口しか言えねぇのか⁈」
『(いや、勝ち誇っているんだよ僕は。)』
「馬鹿なこと言うんじゃ......いぅ、んじゃ......」
あれ?なんか意識が遠のいていく。あぁ、これが長老の魔法か、チートじゃねぇか。
意識が途切れた。
「くっ!ここは?どこだ!」
目が覚めると俺は見知らぬ場所にいた。暗い。
体は拘束されている。そして側には机がある。その上には......拷問器具。
「うっ、ウワァーー!!ヤメロー!」
なんでそんな物があるのだろうか?とにかく怖い。......人の声が聞こえてきた。
「さぁ、新しい実験台がやってきましたね。」
「なんでも人間なのに縮地を使って使ったとか。」
「へぇ、そりゃ楽しみだな。しかも裁判で死刑判決が出たから死人扱いなんだろ?」
「えぇ、やりたい放題ですねぇ?」
危ない会話が聞こえてくる。罰か。ちょっと調子に乗りすぎた。ふっ、ここまでの道がわからないんじゃ縮地も使えないか。
......ごめんリベル俺はここで一生モルモットだな。
22分遅れたぁ!




