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試作型異世界 ※試験中!   作者: ヴィータあげ
4/9

4話 旅立ち。グッドラック

俺が技術部にやって来てから早くも1年が経った。あの後99式はリベルと協力して騎士団全員に配備出来るくらいに量産した。その間にも俺は知識を頼りに一応ak47を作る事に成功した。俺はこれをレオンにプレゼンしたがダメだった。いくら騎士団が300人ちょっとだからと言ってもそんなペースで弾を打ち続けられたら直ぐに弾切れになる。だけどそれをなんどもリロードできるだけの余裕は無いぞって言われた。それでも性能が認められて国王の親衛隊には装備されたし今思うと案外成功だったかもしれない。そして銃以外も今は作っている。魔物は海にはいないらしいなら海から魔物を倒そうと船を作ろうと思ったんだ。さすがにイージス艦なんかはいくら知識があっても作る技術力がないから妥協に妥協を重ねた結果巡洋艦程度の物を作ることにしたこれも技術力を考えると少しおかしいが元々海に近く造船が盛んに行われていたからかたったの1年程度でもう船本体はほとんど出来てしまった。あとミュベン周辺にレーダー網も作ったし空飛ぶ魔物対策に対空砲も作りまくった。これで簡単に魔物を倒せるだろう。ただ1年ちょっとでミュベンを重工業の国にしてしまったのは少し後悔してる。

そして今日も俺は働いている。


「ハジメさん!来るのが遅いよ!何してたのかな?」

「悪い、事情があったんだよ。」

「それは?」

「話すと少し長くなるぜ。」

今日も朝起きて技術部にいつも通り向かったんだ。でも、技術部に着くとドアに張り紙が貼ってあった。

「なになに、『マレ ハジメは直ちに司令部に出頭せよ。レオンより、』だとぉ?」

仕方なく司令部へ俺は向かった。

「やぁ待ってたよハジメ君。君に頼みたい事があるんだ。」

「何をすれば良いんですか。タイチョー。」

「ふっふふ、聞けばやる気が出るだろう!君にはエルフの里に行ってもらう。」

「えっ、エルフってあの耳の長い?」

「それ以外に何がある。」

確かにこの1年間街中でたまに見かけることもあったがまさかそんなファンタジーな里がこんな銃が主力で剣も魔法も対して使われない世界にあるとは思ってもいなかった。

「分かりました。で、そこで何をすれば良いんだ。」

「技術を少し教えてくれば良いさ。昔からミュベンはエルフと協力関係にあってね。こうもいきなり工場とかが出来始めたから少し気になっているらしいんだ。一応護衛としてドミニク隊を付けておくさ。」

「ドミニク隊ってあの精鋭部隊の?」

ドミニク隊はここ半年ほどで名をあげた部隊だ。なんせほぼ1部隊で魔物の大規模襲撃を食い止めたらしい。

「そうだ。期待してるぞ。」

「分かりましたよ。」


そして今に至たんだ。

「という事だ。リベル。俺は明日の朝にはここをでる。俺がいない間技術部を頼んだぞ。」

「えっ!随分急だね。でもそっか少しの間さみしくなるね。......そうだ今夜初めて会った場所にきてくれないかな。頼むよ。」

いつにもない真剣な眼差しでリベルが俺を見つめてくる。

「そんな感じで見られたら断れないな。いいぜ。」

そこで会話は終わらせリベルはまたいつも通り実験をし始めた。そして俺も工場の視察や騎士団の会議の為に技術部を出た。

すると、そこにはクラウスが居た。

「よぉ、クラウスか。元気にしてるか?」

「あぁ、お前の作った銃のおかげでこの通り生き残れているぜ!」

「ふっ、嬉しいな。ところでなんかようか?この1年お前とは合わなかったし」

「それそれ、俺実はドミニク隊の隊員なんだよ。」

「マジかよすげぇな!エリートじゃん。」

「へへ、それでだ。一応会議をしようと思ってな。」

「そうか、今日はこのあと会議が終わったら夜まで予定ないからその時間で出来るか?」

「多分大丈夫だな!」

「ありがとう。またな!」

「おうよ!」

会議はすぐに終わった。そして、そのままの足で俺はメモを頼りにドミニク隊との会議場に向かった。集合場所に着くとと既に4人が居た。一人はクラウスだが、他は知らない。

「ようこそ、ドミニク隊へ隊長のドミニクだ。君は確かマレハジメ君だね。レオン隊長からの信頼も厚いらしいししっかりと守るよ。」

こいつが噂のドミニクか、噂によると魔物を一晩で100体倒したらしいが案外ただの戦士って感じだな。

「こんにちは、マレハジメです。護衛をお願いします。」

ドミニクと握手をする。手の皮は見た目に反してかなり厚かった。握手を終えるとドミニクは後ろに振り返った。

「よし、隊長命令だ!自己紹介をしろ。まずはエーミールからだ。」

「はい......、エーミールです。よろしく。」

「ああ、よろしく。」

なんか暗そうな奴だな。仲良くなれそうにないな。

「エーミールは爆破などの工作の担当だ!

次!デニス!」

「やぁ、僕がデニスだ。君、いい声してるよね。沢山話したいね。」

「えっ、あ、よ、よろしく?」

こいつは間違いなく変人だ。あんまり関わりたくないなー。

「デニスはこんなでも、部隊一の狙撃手だ。頼りにしてやってくれよな!次はクラウス!いや、お前らは知り合いだしいいか。」

「隊長酷いですよ〜。」

「そして最後は俺、ドミニクだ!伝書鳩などの担当もしてるからよろしくな!」

精鋭部隊だと聞いてたからよく漫画であるような変人だけの部隊だと思ってたけど案外普通そうだ。これなら安心できそうだ。

「えーと、じゃあ自己紹介も済みましたしどのようなルートで行くかの確認をしましょうか。」

「あぁ、わかったぞ!クラウス!地図を持ってこい!」

「はーい。」

クラウスは部屋の隅に置いてあった地図を広げると語り出した。

「えー。今俺達がいるミュベンがここの海沿いの北の方のところで、南の方のところがエルフの里だ、一応海沿いだから船で行くこともできるけど、あっちには港がないし沿岸部が少し崖になっているんで、俺達は陸地から行く。」

「陸地って、山があるんだけど。」

「そこを迂回していく事になる。迂回すると魔物の多い森を通らないといけなくなるが、そこを俺達は何度も突破してるから任せな!」

魔物だらけの森を進むのは正直嫌だがやるしかないか、ここはドミニク隊を信じるしか無さそうだな。

「ふーん。なるほどなっ、よろしくお願いしますよ。」

「任せておけ!我々ドミニク隊はプロだからな!それでは各位解散!再集合は明日朝6時!」

そうして会議は終わった。会議室を出ると外は真っ暗だった。リベルから何か話があるらしいし急がないと不味そうな気がした。俺はそのまま始めて出会った海岸へと向かった。そこにはやはりリベルが待っていた。

「少し遅くなって悪かったな。」

「ほんとだよー。ま、いいよ。」

何故か今のリベルはいつもより物寂しげに感じる。

「どうかしたのか?」

「いや、少し昔の事を思い出していたんだー。」

「聞かせてもらってめいいかな?」

「いいよ、あれは今から11年位前の事かな、前国王、いやお兄ちゃんが外交の為にって船に乗って丁度この辺りから出航していったんだよ。でもねその後帰ってきてないんだ。」

「で、でももしかしたら生きてるかもしれないだろ。」

「いや、それは多分ないよ。少ししてエルフの人が来たんだそしてお兄ちゃんの船を発見したんだって、でも中には誰もいなかったんだよ。その日は今日みたいな寒い日だっかな。」

「ごめん、辛い話をさせて。」

「いや、私ももう慣れてるから。でもね、今も待ってるんだよ、転生でもいいから帰って来て欲しいって。」

「だから、あの日もここにいたんだな。」

確かにこの海岸は魔物も現れる危険な場所だ。そこに少女、しかも王族がいるなんて余程の事がないとおかしいんだ。

「うん、そうだよ。あの日もいつも通りここに来たんだ。そしたらハジメさんがここで倒れていたの。最初はもしかしたらお兄ちゃんの生まれ変わりかも知れないと思ったの。でも、このI年過ごしてみてわかった。ハジメさんはお兄ちゃんとは全然違うって、そして気づいたの私はハジメさんが好きだって。」

「......リベル。」

「ハジメさんは変人で人柄も少し悪いしどうにかしてるところもあるよ、でもそれ以上に優しいし楽しかったんだよ!貴方と過ごした時間は宝物なんだよ!そしてこれからももっといっしょにいたいんだよ!だから絶対に帰ってきて!お兄ちゃんみたいにいなくならないで私の側にずっと居てよ‼︎‼︎」

「あぁ、絶対に帰ってきてやるよ。」

俺はそのままリベルに顔を寄せて口を付ける。

俺はこの時初めて異世界で居る意義を見つけられた気がしたんだ。だから絶対に帰ってくるよ。


そして朝は来た。騎士団基地の門にはドミニク隊とハジメ、レオン。そしてリベルがいた。

「本任務の目的はエルフとの情報交換にある。諸君らには何がなんでも生き延びてもらう!諸君らの健闘を祈る!」

レオンによるスピーチがおわり、ドミニク隊とハジメは馬車に乗り込んだ。リベルとレオンに見送られ馬車は颯爽と夜の少し残る野を駆けていく。もはやミュベンからは彼らは見えない。


ドミニク隊任務開始。グッドラック。

ヴィータあげです。ここからエルフの里編に入るのでお楽しみに!

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