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満月の魔の森

見つけてくださり、ありがとうございます✨



 頬を撫でる風は気持ちよく、暗い夜空には明るい月が輝いている。


 この世界の月は2つあり、近づいたり離れたりしている。

 今日の満月の月は1つに見える。

 少し横長で2つの月がくっついている感じだ。

 2つの月が重なる『 合 』の月だそうだ。


 月明かりが森の木々を照らす。

 森の中からは何かの鳴き声が聴こえ、大きな魔力が移動している。

 当然ではあるが、昼に見るよりも魔の森の恐ろしさを感じる。


 

 「確か‥‥‥この辺りだったね、ノト?」

 「はい、そうです。木が疎らに生えているあの辺りです」

 「じゃあ下に降りようか」


 水晶の城から南西に向かった私達は森の中へと降りていった。

 降り立った場所は木が疎らで草地になっており、様々な植物が生えている。

 月明かりのおかげで薬草探しや歩くのに困らない。


 「此処に大きく結界を張るから、この中で薬草を探すんだよ。結界から出てはいけない。君たちの匂いに釣られて魔獣や魔物達がやって来るよ」

 「匂いに釣られて?」

 「そう‥‥‥特に今夜は合の満月だから、普段の満月よりも影響は大きい。彼等の本能が剥き出しになるから、いつも以上に注意が必要だ」

 「うわ‥‥‥恐い。気をつけます。結界からは出ません!」

 「「出ません!」」


 私とティムとクリムゾンは何度も頷いた。

 ロータスは静かに1回頷いた。


 「そろそろ完全に合になるよ。そうしたら採集開始だ」

 「完全に合になるのを待つんですか?」

 「どうせなら、最も強い月の光を浴びた薬草の方がいいだろう?薬草も魔力を1番強くしているからね」

 「なるほど。わかりました」


 私達は皆で空を見上げた。

 楕円のように見える月が少しずつ真ん丸になっていく。

 

 「重なった!」

 「よし、採集を始めよう。手早くね」


 草地を包むように大きく半円に張られた結界の中で、私達は薬草採集を始めた。

 事前学習で頭にたたき込んだ薬草を探す。


 「えーーーと、強者ニンニク‥‥‥月夜の雫草‥‥‥魔の森の月見草‥‥‥あと何だったっけ‥‥‥月光百合‥‥‥おっ、あった」 

 「お姉ちゃん、ここにもあったよ~~」

 「こっちにもあるぞ~~」

 「姫様、此方にもありますよ」

 「結構いろいろあるわね。すぐに揃いそう」


 私達はあっという間に籠いっぱいの薬草を集めた。

 離れたところで探しているノトとメルクリウスさんの籠もいっぱいになっている。

 魔の森の奥ということで、人がほとんど入っていない為に荒らされておらず、各種薬草の群生地となっているようだ。

 お父様は薬草採集はせずに森の奥を見つめていた。

 結界を張りながら、周りを見張っているようだ。

 魔の森で安心して薬草採集出来るのもお父様のおかげ。有難い。


 「なぁなぁローズ、結界の外の木の根元‥‥あそこ見えるか?」

 「ん?‥‥‥あの二又に分かれた木?」


 クリムゾンが指差す方を見ると、木の根元に月光百合がたくさん生えていた。

 美しい花は観賞するだけでも価値があるが、花の蜜からは美容液が作れるし、百合根は食用になり美容効果もあるらしい。貴族のご婦人方が高値で買い取ってくれる嬉しい薬草だ。

 ‥‥‥元の世界の百合とはちょっと違うみたい。当然か。


 「あれも欲しいところだけど、結界の外だから無理ね」

 「だよな。危ない目に遭うのは御免だしな」

 「仕方ないねぇ」

 「‥‥‥‥‥ご命令であれば採ってまいりますが」

 「駄目よロータス。お父様が言っていたでしょう?結界から出てはいけないわ」

 「私も魔物ですよ?」

 「それでも駄目よ。危ないので駄目。ロータスに何かあったら困るわ」

 「‥‥‥‥‥畏まりました」


 何故かロータスは嬉しそうに微笑んでいる。


 ‥‥‥でも、あの月光百合欲しいな。百合根食べたいしノトに美容液の作り方を教わりたい‥‥‥。んーーー残念、残念。


 ‥‥‥‥‥やっぱり欲しいな~~~。


 ふぅーーとため息をついた時、クリムゾンが結界の外を見つめてぶつぶつ話し出した。


 「何だあれ?地面がぼこぼこ動いてるぞ。なぁティム」

 「本当だね、何だろう」

 

 私達は結界の外を見つめた。

 草地の所々がぼこぼこと動いている。

 

 「本当、動いてるわね」

 「確かに動いていますね。姫様、念のため私の後ろに」

 「え?そうねわかったわ」


 私はロータスの後ろから草地を覗きこんだ。


 


 


読んでくださり、ありがとうございます✨

PV、評価、ブックマーク、大変励みになっております!

皆さんに良いことがありますように✨

 :*(〃∇〃人)*:

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