恋愛出来るかな?
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「あ、猫が来たよ」
猫は悠然と歩きながら、居間に入ってきた。
立ち止まって居間を見回すと、目的地を見つけたのか歩き出した。壁際のソファーまで行くとスッと飛び乗り、ゆったりと寛ぎだす。
「あの猫はここに居座るつもりみたいだね」
「僕、しっかりと見張ります」
「ティム、宜しくね」
「はい」
ティムは気にかけていない風を装い、真剣な顔でちらちらと猫を観察している。
メルクリウスはそれが可笑しくて、笑いを堪えていた。
そこに、ノトとローズが食事を運んで来た。
「メルクリウスさん、どうしたんですか?」
「いや、何でも。あの猫はどうするの?」
「猫が帰るつもりがなければ、飼ってもいいかなと思ってます。お父様の許可が出れば、ですけど」
「そうか、どうだろうね」
「さぁ‥‥‥」
「さぁさぁ、メルクリウス様、ローズ、中途半端な時間ですけど食事にしましょう。お昼を食べていませんからね」
「そうだね」
「そうしましょう」
私達は食事を済ませ、片付けも済ませて居間でゆったりと過ごした。
‥‥‥ううぅ、なんか、眠くなってきた。
「あの、私もう寝ますね。さすがに疲れたみたいです」
「お風呂は?」
「洗浄魔法を使います」
「そうだね。ゆっくりおやすみ」
「メルクリウスさん、ノト、おやすみなさい」
私はティムを抱き上げ、猫に話しかけた。
「猫ちゃんはどうする?ここで寝る?それとも一緒に来る?」
「うなゃん」
猫はソファーから降りると、私のほうへ歩いてきた。どうやら一緒に寝るつもりみたい。
私達は2階に向かった。
部屋に入ると皆に洗浄魔法をかけて、寝間着に着替えベッドに入った。
猫もベッドに飛び乗り、壁側に寝そべった。
可愛い。猫と一緒に寝るなんて嬉しいわね。
(よし。ここまでは予定通りだ。後は夜伽ぎをするだけだな。任せろ。俺に出来ないことはにゃい。‥‥しまった、にゃー語が出てしまった。気をつけなければ!ローズの護衛騎士になるためには言葉は大事にゃのだ。‥‥‥また出てしまった。)
「ティム、猫ちゃんおやすみ~」
「お姉ちゃん、おやすみ~」
「うなゃ~」
さて、寝ますか。
横になると、猫は尻尾をパタンパタンと私にあててきた。
そして‥‥‥
「うにゃ~~うにゃ~~うにゃ~~」
‥‥‥これは、歌?
‥‥‥まさか、子守唄‥‥とか?
まさかねぇ。
気になって眠れない。
「あの、猫ちゃん?猫ちゃんも寝ようね。歌はお仕舞いよ、いい?」
「‥‥‥うなゃ」
(仕方ないのだ。俺様も寝るのだ)
間もなく猫の寝息が聴こえてきた。
‥‥‥猫ちゃん寝たわね。
どうしよう、目が覚めてきちゃった。
今日はいろいろあったわね。初めてがたくさん。薬草採集に、ゴブリンの襲撃、何人もの人族の人達、女の子の友達。‥‥‥そして、ローズにとっては初めての口づけ。
でも、不意打ちは酷い。もっと、ロマンスに浸りたかった。
あんな美形となんて、そうそう無いしね。この世界は美形が多いけどさ。
まぁ、オバサンにとっては、ご褒美みたいなものよ。
‥‥‥私だけか。
ドラゴさんはもうローゼリアには来ないって言っていたけど、何故かまた会えそうな気がするのよね。うん、きっと会える。恋愛には発展しないと思うけど。
そもそも、私は恋愛していいのだろうか。
種族とか寿命とか、中身が異世界人とか。
種族的には、竜族がいいのかな。お父様以外の竜族ってどのくらいいるんだろ。
‥‥あ!竜型になれたなら、ワイバーンも対象になるとか?
無理だ~無い無い。ワイバーンと恋愛なんて、有り得ない。
せめて、人型になれなきゃ無理。
寿命的には、人族や獣人族は駄目ね。
となると、魔物?
‥‥オークとかオーガも無い無い。
‥‥じゃあ、魔族とか鬼人?
んーーわからない。
あと、中身が異世界人でオバサンということは、内緒にするしかないね。
‥‥‥相手、見つかるのかな?
‥‥‥難しそう。
ちょっと哀しい気持ちになってきた。
もう寝よう。
私は、隣で寝ている猫を抱き寄せると、柔らかな身体に顔を埋めた。
ん~~~~猫アロマ。
良く眠れそう。
ありがとう猫ちゃん。明日、名前を考えようね‥‥‥。
ゆっくりと私の意識は落ちていった。
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