↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険の書から始まる異世界探索〜最弱サポート役なのに、なぜか姫と美少女に溺愛されます  作者: 舞波風季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/49

第30話 防具を揃えるよ!

「色々あるねぇ、迷っちゃうよ!」


 防具屋の品揃えを見てシュヴィーネが感嘆の声を上げた。


【けんしのよろい】

【きしのよろい】

【まどうしのローブ】

【いやしのローブ】

【けんぽうぎ】

【しのびしょうぞく】


 鎧からローブまで、新しい防具が増えている。


「私は【けんしのよろい】がいいわよね」

「私と明日海ちゃんは【まどうしのローブ】だねぇ」

「うん、そうだね」


 沙生那と夕璃乃、明日海は、すぐに決まった。


【けんしのよろい】は青を基調としており、全体的に女性の身体にフィットするデザインになっている。


【まどうしのローブ】はフード付きのゆったりとしたデザイン。色は星空のようなキラキラと光る濃紺色だ。


「私、【きしのよろい】を着てみたい……」


 ミローネがそう言いながら俺を見た。そうだ、ミローネは聖騎士に憧れているのだ。


【きしのよろい】は鋼製のプレートアーマーだ、防御力重視の重装甲だ。


 だが、この【きしのよろい】は、随所に軽量化が施されていて、軽快な動きも十分可能だ。


 ミローネがこの【きしのよろい】を装備すれば、きっと頼もしい前衛になってくれる。


「いいと思います。武器も両手剣の【はがねのたいけん】なのでまさに聖騎士ですね、ミローネさん」


 俺は思ったことをそのままミローネに伝えた。


「ありがとうございます、そらおさん……!」


 と言ってミローネは俺をハグした。


 俺は、照れくさくなって、一瞬顔が火照(ほて)りかけた。たが、待てよ!


 ま、まさかこれは、ミローネが得意のベアハグで俺を絞め殺そうとしているのではなかろうな……!?


「ミローネ、そんなに抱きしめたら、嶺渡(ねわたし)君が苦しんじゃうから……」


 と、明日海がミローネを俺から引き離してくれた。


 ありがとうございます、明日海さん!


「そうだぞ、ミローネ。そういうのは控えめにやるんだ。でないと空央に警戒されちゃうだろ?」


 シュヴィーネがニヤニヤしながら言った。


 控えめに殺《や》る!?


「私は【いやしのローブ】が欲しいのですが……」


 頭が警戒心で渦巻いている俺に、フォンが控えめに言った。


「はい、【いやしのローブ】はフォンさんにぴったりだと思います」


 この【いやしのローブ】、着て歩くと少しずつ体力が回復する。


 仲間の治癒と回復が役目の治癒士自身の安全確保はとても重要だ。


「ありがとうございます、そらお様」


 そう言ってフォンが俺の腕に縋(すが)ってきた。


 これは、時たまフォンがする行動だ。特段不自然なことではない。


 だが、フォンは逆治癒魔法が使える。その魔法を使えば、俺の体力を奪い取り、最終的にはHPをゼロにすることも可能だろう。


 これはヤバいのではないか? フォンの手から逃れないと……


「フォンちゃぁーーん、陰キャ君への感謝はそのくらいでイイんじゃないかなぁ」


 そう言いながら、夕璃乃がフォンを俺から引き剥(はが)がしてくれた。


 よかった……助けてくれてありがとう、夕璃乃さん!


「あたしはさぁ、これが欲しいんだよねぇ」


 シュヴィーネが指差したのは【けんぽうぎ】だ。


 シュヴィーネは格闘家だ。そして昨日選んだ武器は【とうしのグローブ】。


 となれば【けんぽうぎ】がシュヴィーネにとっての最適な防具ということになる。


 それは間違ってはいないのだが、【けんぽうぎ】にはデザインが二種類あるのだ。


 一つは、上着とズボンの上下セパレートタイプの一般的なデザインのもの。


 もう一つは、チャイナドレス風のデザインのものだ。


 そしてシュヴィーネが指差したのはチャイナドレス風の【けんぽうぎ】なのだ。


 チャイナドレス風は腕や脚の露出が多い。なかなか色っぽいデザインだ。


「そらおも、こっちのほうがいいと思うだろ?」


 そんなことを俺に聞かないでほしい。どう答えればいいか困ってしまうではないか。


 いや、待てよ……


「こっちのセパレートタイプのほうが防御力が……」

「防御力はどっちも同じだってさ」


 シュヴィーネが店員さんを見ながら言った。にっこり笑顔で頷く店員さん。


「試着もできますので、どうぞ」


 という店員さん。カウンター上のカタログの写真に触れるとすぐに着用できるらしい。


「よし!」


 と、シュヴィーネが写真に触れると、パッと衣装が変わった。


「どうだい、そらお?」


 ポーズを取りながらシュヴィーネが訊いてきた。


 シュヴィーネの視線が艶めかしく見えるのは俺の錯覚だろう。そうだ、錯覚に違いない。


 しかもデザインがチャイナドレス風だ。チャイナドレスといえばスリットだ。スリットといえば……いやいや、それ以上は……!


 でも、それは抜きにしても、動きやすそうなデザインではある。


 何より、シュヴィーネがすっかり気に入っているのだ。


「はい、シュヴィーネさんに合っていると思います」

「ありがとう、そらお!」


 と、チャイナドレス【けんぽうぎ】のままでシュヴィーネが俺に抱きついてきた。


 まさかチャイナドレスの下にナイフとか忍ばせてないですよね、シュヴィーネさん?


「感謝の印はそれくらいでいいでしょ」


 そう言って沙生那がシュヴィーネを俺から引き剥がしにかかった。


「別にいいだろう、さきな」

「嶺渡君はパーティー強化の必要性から買ってあげるだけなのよ。だから感謝は程々でいいのっ!」


 沙生那は語尾に力を入れて、強引にシュヴィーネを俺から引き剥がした。


「それに、陰キャ君だって自分の防具を買わなきゃだしねぇ」


 夕璃乃も沙生那を援護して、シュヴィーネと俺の間に入ってきた。


「わかったよ」


 諦めたように言うシュヴィーネ。


 そうだ、夕璃乃の言う通り俺も新しい装備にしなければ。


 と言ってもほぼ決まったようなものだ。


 俺は新しい武器に【しのびがたな】を選んだ。


 ということで防具は【しのびしょうぞく】で決まりだ。


【しのびしょうぞく】は敵に認識され難(にく)くなる。特に夜に高い効果を発揮。また敏捷(びんしょう)も上昇する。


 こうなると、俺は益々斥候や隠密行動が得意な裏方になっていく。


 こうして、なんとかかんとか新しい武器と防具が揃った。


 クエストの次の目標は『ダークトロールを倒して人質を救出しよう!』だ。


 ところで、ダークトロールは今どこにいるのだろう。


「捕らえたゴブリンに案内させましょう」


 ミローネが疑問に答えてくれた。


 宿の外でトロールの若い衆がゴブリンを引き連れて待っているそうだ。


 ダークトロールは強敵に違いない。だが、俺の中には不思議と不安はなかった。


 全員の装備も新しくなった。沙生那と夕璃乃、明日海は新しい【技】も覚えた。


 負ける気がしない、などと言ったら言い過ぎか。


 それよりも俺が心配しているのは、例のことだ。


 そう、フォン達モンスター姫が俺の命を狙っている、ということだ。


 表面上は全くそんな気配は感じない。


 フォン達は今までどおり、というより、今まで以上に俺と親しくしてくれている。


 正直なところ、警戒する気持ちよりも嬉しい気持ちのほうが強い。


 沙生那達に言わせれば、俺を油断させようとしているということになるのかもしれないが。


 とにかく、沙生那達も俺をガードしてくれている。いささか、というより、真(まこと)に情けないことではあるが。


「それじゃ、行きましょう」


 せめて表面上はリーダーらしくしようと、俺は皆に声をかけた。


 勿論、今日はポイント2倍デーを申し込み済みだ。


 モンスター姫達と自分の新装備を揃えたら、あっという間にポイントが無くなってしまった。


 それどころか赤字になってしまったのだ。


「大丈夫ですよぉ、ポイントローンも使えますからぁ」


 という店員さんの営業スマイルが恐ろしかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。