王宮にて邂逅(2)
今日の会議について話した後、近況報告などの雑談をしていた。
リゲルは帝王学の進み具合やどんな王になりたいかを話し、僕は次期伯爵としての立ち振る舞いや最近興味が湧いたものを話した。
アリア嬢の話をしようか迷ったけれど、人目も多い王宮で話せば何があるか分からないので、この場で言うのは辞めておいた。
そうやって話していると、リゲルの侍従らしき人が近付いてきた。
「王太子殿下、もうそろそろ次のお時間となります。」
「あぁ、もうそんな時間か。じゃあまたね、リシェード。」
「はい。殿下もご無理はなさらないようにしてください。」
2人きりの時や人の目がこちらに向いていない時は友人として接するが、こうやってリゲルの侍従や他の貴族がいる場所の場合、臣下としての立ち振る舞いと礼を行う。公私はしっかり分けないと、自由に動けないし。
さて、手持ち無沙汰になったし、王宮の庭園でも見ていこうかな。
この季節ならバラが咲いているか、満開ではなくとも他の花が咲いているだろう。
あとはどんな花が植えてあったっけ……って、あの人影は…?
「アリア嬢……?」
庭園の真ん中にあるガゼボの中に、アリア嬢だと思われる人影を見つけた。前夜会の時に庭園を散歩する時もあるって言っていたし、少し休憩しているのだろうか。
せっかく見つけたし、声をかけようと近づく。
「こんにちは、アリア嬢。」
「こんにちは、リシェード様。先日の夜会で言っていらした庭園で見かけたら、で声をかけてくださったのですか?」
「はい。覚えていてくださるとは光栄です。」
アリア嬢は夜会で見たような綺麗なドレスではなく、研究所で動きやすくする為だろうか、装飾が少なくレースなどあまり使っていないドレスを着ていた。
「リシェード様もお仕事で登城していらっしゃるのですか?」
「はい。父様の仕事の見学や、次期伯爵としての顔見せも兼ねてよく登城しております。」
父様も上位職に就いており、いずれ伯爵の地位だけでは無くその職務も引き継ぐ。次期伯爵として登城する時も多いが、職務の見学や部下の方々の顔を覚えるという理由もあって登城することもある。
「なるほど。ご無理はなさらないでくださいね。」
「ありがとうございます。アリア嬢は研究の休憩でしょうか?」
「ええ。1度休憩してきたら、と同僚に言われまして。」
ということは奇跡的にタイミングが合ったのだろう。こういう時にタイミングが合ったのは運がいいし、今回タイミングが合わなければ次はいつになるか分からなかった。
「アリア嬢、ぜひ僕と少し話しませんか?」




