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王宮にて邂逅(1)


アリア嬢と出会った夜会から数日後たったある日、僕は登城していた。


僕にとっては登城はさして珍しい事ではない。なんていったって王太子の友人であり、更にはグラファイス伯爵家の次期伯爵だし。

あとこれは最近知った事だけれど、父様と現国王陛下…つまり、リゲルのお父上は幼馴染らしい。

普段王宮や夜会で見るからにはそんな感じはしなかったけれど、貴族は容易に隙を見せれば付け込まれる、と考えるなら公私を分けるのは自然な事なんだろう。


「やぁ、リシェード。」


「あぁ、リゲルか。この時間に君と会うなんて珍しい事もあるんだね。」


父様と陛下、僕とリゲルの関係を考えていたら、本人が登場してきた。こういうシーン何かの本で読んだ気がするような気がしたけれど、気にしたらキリがない。

というかリゲルはこの時間は執務をしているか、帝王学について学んでいると聞いていたし、姿を見なかったけれど、今日は何かあったのか。何かあった場合は、何故側近を付けてないのか、という疑問が起きるけれど。


「今日は父上や重鎮達が会議しているからね。確か、研究内容の許可関係や星の祝福による能力の申告に関してだったはずだけど……。発案は叔父上がしているって聞いているよ。」


「星の祝福による能力の申告か……。今まで秘匿されるべきだと言われていたものを王家が管理するって事なのか?」


「それに近い事になるんだろうね。能力を使って王家に反乱を起こす者が居ないとは限らない…という点では正しいのだろうけど、諸侯が受け入れるかどうかは微妙な所だろう。」


リゲルの叔父、つまりは王弟であるアステリオン公爵は様々な法案を出し、政治に深く関わっている事も多い。王家のためとなる法案を提出しているので支持する貴族も多いが、先進的な思考に懸念を持つ者も多くいるため、今回の提案も難しい問題なのだろう。


「王宮の官吏達も大変なんだね。いずれその苦労を他人事とは言えなくなるのだけれど、それでも現在の官吏に同情するよ。」


「そうだね、私の代ではあまり負担をかけ過ぎないようにしよう。勿論、王として成すべきことはするんだけれどね。」


リゲルは心優しい王になる。近くで見てきた僕が断言しよう。

けれど、その優しさは時に付け込まれる可能性が出てくる。そのためにも、臣下となる僕が支えなければ。

それに、臣下としてだけではなく、一人の友人として僕はリゲルを、この国を支えられるようになりたい。少し強欲な気もしなくはないけれど、王となれば軽率に肩入れは出来ない。陛下と父様がいい例なのだろう。


だからこそ、貴族として、友人として、リゲルを支えるって決めている。本人に伝えはしないけれど、ね。


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