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理想郷  作者: Zero_One
二章
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まさかそんな戦法とは

「しかし今のゴブリンは面倒臭そうだったねー。警戒が高い事と冷静さが中々厄介。すぐまた挑むか戦い慣れてから挑むかは任せるよ。」


 そうは云われたがあそこまでやられてしまうと、俺の性格では『はい、また行きます』とは云えなかった。


 だから俺はレベル1のゲームを始めたての人が戦うモンスターが、居る所へと向かった。

 情けないと思われようが、これが俺のやり方だからだ。



「じゃあ気を取り直して行ってみよー。」


 ピーちゃんは今日も元気です。今日の俺の心情は大雨です。




 超入門者狩場にて。


 ピーちゃんがモンスターを見ながら順番に名前を云っていく。

 ここのモンスターは襲って来る事が無いから、先手が必ず取れると云う事だった。

 先ず一番近くに見えるのが[青虫(あおむし)]。次に右手奥に見えるのが[殻虫(かくちゅう)]。左手奥に見えるのが[ゼラ・キューブ]。


 ()ず青虫は、真っ青と云うわけではなく、青から緑のグラデーションというかマーブル模様と云うかカラフルで複雑な模様の虫だった。

 虫といっても5cmくらいではない。でっかい芋虫の様な物である。

 これを難なく倒せるようになったら、次の殻虫に行けばいいと云う事だ。





 先制攻撃が可能であると云うので、青虫に向かい棍を両手で持ち思いっきり突きを入れてみた。

 ただ棍を構えて勢いをつけて突く。

 しかし青虫へは思った程ダメージが入っていない様だ。


 そこへ後方から声が飛んでくる。


「私が云った事何も覚えてないのーー。」


 と叫んでいる。

 完全に場の空気に飲まれて忘れていた。

 先日彼女に体裁き等を教わった時の事を。


 青虫はゴブリン程機敏に動く事は無かった。


 俺は少し思い出し武器や行動によっては体重を乗せたり、遠心力を使ったりして攻撃をする。

 武器の自重や腕の振りだけではなく、腰を入れたり体を捻ったりしながら体全体で攻撃をしろと再三云われていた。

 武器自体もそうだ。突きの時に捻りを加えたり、速度を出来るだけ殺さず攻撃するために無駄な動きを極力減らしたり工夫をして、スキルには無い自分なりの戦い方を見付けるのだと。


 彼女は簡単に云ったが、武道の経験もない俺にはかなり難しい事であった。


 棍を長く持ったり短く持ったり、棍の長さを生かした遠心力を使ったり、片手で棍の端を持ちもう片方の腕を振り子として使ってみたり色々した。

 中々思うようにダメージが入らず、青虫一匹に戦い続ける事数十分。

 やっとの事で自分なりの対処法を、(ようや)く一つ見付けた。



 青虫は体の地面に向居ている方が弱点の様だった。

 しかしそこを攻撃するにはひっくり返すか、吹き飛ばすなりして体制を大きく崩す必要があった。

 そして俺の取った攻撃手段は、恐ろしく原始的な攻撃でダサい戦い方だ。


 ()ずは青虫に時空間魔法(ストップ)を使用して、一時的に相手の動きを止める。

 青虫の外殻と地面の間に棍棒を突き入れる。

 後は梃子(てこ)の力を拝借し、吹き飛ばすかひっくり返す。

 そして(あら)わになった弱点部分に、ナックルで真上から[乱打]で打ち抜き念の為もう一度[乱打]を打つ。

 これで(ようや)く一匹目の青虫を倒せた。


 泥臭く恰好良さの欠片もない?勝てばいいんだよ勝てば…と自分自身に云い聞かせる。


 魔法には頼りたくなかったが、それでは出来なかったのだ。




 想定内だったが失笑が聞こえる。その声の主を見詰める。


「ごめんごめん。でも……まさかあんな倒し方をするとは。くくくっ。」


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