魔鉱装備
寝る間を惜しまない程度に没頭する。
レベルが上がりMPにも余裕が出て来たお陰で、新しい物にも手を出せた。
そう、赤鉄鉱である。鉄鉱に比べMP消費が急激に上がったのもこの赤鉄鉱からだ。
鉄鉱の消費MPは減ったもののそれでもMP70程度は消費していた。
それが赤鉄鉱になった途端消費MPが175だった。結局二回連続で技能を使えない為、MPポーション(微)で少し回復し次はMPポーション(小)で大きく回復させる。この繰り返しでスキルレベルを上げて行く。
今が何日目か気にしていなかったので覚えていない。魔鉱技能が25になったので、黒鋼と白鋼を試してみた。
黒鋼は技能レベルが足りなかった様で、最初の温かくなる事すらなく失敗した。
白鋼に関してはMPがギリギリで成功した。しかし一回で消費MP300な為MPポーション(小)で回復した後少し回復待ちをし全回復したらまた作業をはじめる。
毎回MP300消費ではなく、多い時や少ない時がある為である。
このお陰で最近伸び悩んでいた、MP回復力上昇も上がり始める。
そして魔鉱技能は30になったが、黒鋼は前と同じ状況だった。
レベルが足らないのかMPが足らないのか、それとも両方が足らないかである。
ポルクスに相談したところ、黒鋼を使うと上級装備になってしまうので、白鋼が多い方が色々作れるので便利が良いと教えて貰った。
そしてポルクス自身も白鋼を使い、ナックルを作り始めると云う。
時折ピーちゃんが様子を見に来ていたらしいが、俺は没頭していたので全く気が付いていなかった。
そうした事を繰り返す間にピーちゃんの何かの限度が突破したらしく、肩に担ぎあげられベッドに投げ落とされ見上げると野獣かしたピーちゃんが居た様な事もあった。
なんとかその日は宥めて落ち着いて貰ったが、余り軽くあしらっていては自分の身が危険だと感じた。
一日に最低一度はこちらからピーちゃんの様子を見に行き、自ら尻尾や耳を触られに行く。
こうする事で色々な危険性が減った。俺からすればピーちゃんは、未だに厄介な人物の一人程度でしかない。好意を向けられるのは悪い事ではないが、一方的な好意は時として厄介にもなる。
ポルクスの眼鏡に適うナックルが出来た頃、魔鉱技能は34となっていた。
「ウィンス様、試行錯誤して遂に完成いたしました。中級装備でこれ以上のナックルはそうは無い筈です。」
そんな装備の名前はシンプルな物であった。作者はNPCなので名前が載らなかった。
<鉄拳> 中級ナックル
STR+120 VIT+40 SPR+75 MP+120
「ウィンス様にはまだSPRとMPが必要だと思いましたので、これらが付くまで作り続けました。」
指輪が使えない分、ナックルには効果が乗り易いというメリットもある。
ポルクスに感謝を述べると当然ですと云う。そして白鋼を使用した軽装備を作るので、出発を待って欲しいと。ナックルほど時間を掛けれない為、性能が上下すると云う事。
三日間でポルクスは装備を作り上げて来るのだが、その間ピーちゃんに基本的な体裁きなるものを教えて貰っていた。
その動きは実際に体を動かすのとは根本的に違った。
それもその筈だ、人間の動きでは厳しい事・不可能な事をやろうと云うのだから未知の世界だった。
そんなものを三日でマスター出来る訳もなく、本当にさわりの部分だけ教えて貰った。
そして装備一式が出来上がった。
今までの初心者防具に比べ、随分と見栄えも変わったのでは無いだろうか。
黒っぽい革を下地とし、その上に白く薄い金属の装飾が鏤められていた。
装備すると体のラインに合わせ、出るところは出て引っ込むところは引っ込み、ピチピチではないがピッタリと着れた。
序と云っては何だが、棍も鍛冶技能と木工技能で作っていてくれた。
<白鋼の棍> 中級棍
STR+90 DEX+40
<ホワイト・サークレット>
INT+50 SPR+45 MP+65
<ホワイト・アーマー>
VIT+95 AGI+15 LUK-5
<ホワイト・ミトン>
STR+20 DEX+45 LUK-5
<ホワイト・グリーブ>
DEX+20 AGI+70 LUK+11
分かりやす過ぎる名前だが、作って貰っておいて文句なんて言える立場ではない。
俺自身の能力は大して変わらないが、装備によって俺のステータスはまたしても鰻登りだ。
HP:245.5/245.5(137)+[177]➡363.5/363.5(137)+[295]
MP:309/309(160)+[229]➡427/427(160)+[347]
ST:225.5/225.5(144)+[153.5]➡284.5/284.5(144)+[212.5]
STR:(108)54+16[70]➡(108)54+230[284]
VIT:(134)67+17[84]➡(134)67+135[202]
INT:(34)17-10[7]➡(34)17+40[57]
SPR:(150)75+79[154]➡(150)75+197[272]
DEX:(27)13.5+38[51.5]➡(27)13.5+135[148.5]
AGI:(144)72+49[121]➡(144)72+125[197]
LUK:(21)10.5+50[60.5]➡(21)10.5+51[61.5]
キリが良いのか悪いのか、唐突な一章終了で御座います。
次話から話中での予定通りシュバへ、戦闘訓練を兼ね出発いたします。




