レンドにて 弐
そんな馬鹿なことを云って胸を張っている、やっぱりアホの子だったか。
馬鹿な事を云ってないでちゃんと説明しろ、と頭を軽く小突くともう三人の親衛隊?の顔が怖いのなんの。
説明したらしたで、膝から崩れ落ちる、ミカ。
こんな子より私の方が絶対に役に立てると喚く、レイラ。
ただ茫然として涙が頬を伝っている、マーコ。
三者三様の反応だが、敵視している標的はただ俺一人。
今後面倒なのでピーちゃんに変装を解いても構わないと伝えると、そうしてみてくれと返って来た。
そして変装を解くと共に現れるキツネ耳とキツネ尻尾。
「えっ、中性!?」
「そういう事かー。」
「これは勝てない、しかし中性大好きお姉さまにこれは毒だわ。」
最後の奴は一体何を云ってるんだ、むしろお前らの行動の方が余程毒だぞ。
「何にせよそういう事だから分かったな。」
「「「分かったけど、納得できません。」」」
何だこの面倒くさい奴ら。
「ああーもういい、納得してもらわなくていい。ちょっと待ってろ。」
無言の時が過ぎているとまた、聞きなれた声がする。
「悪いがこいつら連れて帰って貰えないか。ウィーちゃんがしつこく絡まれて埒が明かない。」
「そういう事か、俺は何でも屋かよ。で、こい……ああそういう事か。分かった連れて行く。」
「何様だよてめー。」
「お前らが所属してる[震雷]のギルド・マスター様だ。分かったらついてこい。
あーあー。ウィンスに俺がギルド・マスターだってバレちまったじゃねえかよ。」
「バレたら何かあるのか。」
「いや分からないなら、今はそれでいい。ラピスがいつか教えてくれるだろう。」
珍しくラピスと云ったとおもったら、この三人がいるからか。一応ちゃんと分けてるんだな、とそちらが気になってしまった。
しかし何で同じギルドなのに、マスターを知らないんだと聞くと、人数が多するのと風さんを介さずに加入して、今のが初顔合わせなんて事もあるらしい。
そんなにどれだけいるんだよって思ったら、ピーちゃんからペア通話でボソッと[718人]と云われた。
多すぎと云うか大規模ギルドじゃないか。
俺は敢えて掲示板で情報やら何も見ずに遊ぼうとしていたから、何も知らなかっただけの様だ。そして今も特に調べる気はないから、今後もこれまで通り過ごすつもりだ。
風さんが口止めを忘れていたので、ピーちゃんにペアが出来た!というニュースが一瞬でギルドを駆け巡り、物好きが偶にやってくる。レンド出発日だと云うのにまだやってくる。正直誰が誰かだなんて殆ど覚えてない。相手もどうせその場凌ぎで俺の事は興味ないだろう。
レンドを出発するときレイラ・ミラ・マーコの三人が隠れていたのが視界に入り。しかもつけて来ていたのでそのことを伝えピーちゃんが追いつく速度で走り三人の追走者を撒いた。
そのしつこい追走者の事は風さんではない、別のギルドの人に連絡しておいたそうだ。
その時にピーちゃんの親衛隊なのと聞いてみたら、慕ってくれてる子だとばかり思ってたらこんな事してたとは…と云う答えだった。
しかしやはり俺の移動速度はおかしいらしい。彼女達はあんな感じだけど三人ともレベル50超えてると云う。それで追いつかずに完全に引き離されたのが、納得いかない韋駄天せこいと云われた。
韋駄天所持者は非常に少ないが無職上がりだから、それだけである意味ツワモノらしい。
何にせよレベル25になって転職しようと云われた。
そして転職クエストは一人でしかクリアが出来ないという。それがあるので最後の75での転職クエストが最難関だと云う。結構なプレイヤー数が75で止まっているのが現状らしい。それを超えているピーちゃんはやはり強いんだな。
そうするとPKは76以上の人達の独壇場なのではないかと聞いてみると、これはまた違う様で住み分けが出来てるらしい。
Lv26~Lv50・Lv51~Lv75・Lv76~Lv100このレベル帯の者同士しかPK/PKK出来ないと云う。
だから生産職の人の中には、Lv50で止めてる人も居るそうだ。
何故かと云うと特定条件をクリアする事によって、同種の上位クラスや派生クラスが出て来ると云う。
無職の上位クラスや派生クラスはあるのか聞いてみたが、無職は一人でコツコツ上げてる人が殆どおらず、情報が少なすぎて分からないそうだ。結局自分で見出せと言う事か。
なのでレンドからレッド・ベールに行くまでは、モンスターを倒しつつ行こうと。
レベル差で経験値が入らない事が気になったが、そこはペア昨日の隠れた要素の一つでレベル差ペナルティが無いんだと。便利過ぎるペア機能。
だから早く75を超えておいでと云うが、ゆっくり楽しみたいのもあるので、とりあえず25までなと言う事で決定した。




