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理想郷  作者: Zero_One
一章
15/35

宿泊とモフモフ

本日ラストで御座います。

 気が付くと夕方だった。あの時はまだ昼過ぎだったというのに、随分と長い転寝をしてしまった。


「やっと起きたねー。」


 と、下の方からピーちゃんらしき声がすると思ったら、俺の尻尾に巻き付いている。ずっとこんな事してたのか。


 俺も尻尾欲しいなとかブツブツいってる風さんが居る。大丈夫かこのギルド。


「尻尾のある中性の人くらい他に居るでしょう。」



 顔を見合わせる二人。


「じゃあウィーちゃんさ、ガートンで尻尾ある人見掛けた?」


 そう云えば見掛けなかった、繰返し採集してる間も見なかった。


「中性にするとリアルにない物が増えて、バランスがすごく悪いんだよ。しかも盾が持てない。自分の身を守り辛い。そして殆どがキャラクター削除となる。そんな中性をもう殆ど使いこなすかの様に、あの速度で移動できるウィーちゃんが異常なの。分かった?」


「この辺はもう電脳の処理能力の高さで、自然とカバーしてるんだろうな。見ててマジでスゲーって思うわ。」


「そんな訳で尻尾のある人はレアなの。レアキャラなの。って事で心行くまでモフらせて貰うからね。」


 まだ足りないのかよこの人はと。

 だがそろそろ進みたいので尻尾を振ってっ払い除ける。

 最近では結構自由に尻尾を振り回せるようになってきている。


「あああーん、待ってえぇぇ。」

「おおおおお。尻尾を操ってやがる。」


 しかしこの二人相当暇人なのだろうか。俺に付き添っていても何も得る物なんてないだろうに。




「じゃあ出発するかー。先頭はピーちゃんな。それに合わせて俺達が速度合わせるから。」


「何それ私雑魚みたいじゃない。」


「今回に限っては、(あなが)ち間違っ…ぶほっ。グーはヤメ、ダメ、ちょっ…。」


『ズゴッ バキッ ズドーン ズドーン ズドーーーン バシッ』


(ふぅーーふぅーー。)「ふふふふふふ、お分かり、どちらが強いかを。」


「ずみまぜんでじだ。」


 何か一方的な喧嘩?を見た。いつもこうなのかな、そんな感じがした。


(ピ、ピーちゃんを怒らせちゃダメだぞ。こうなるから。しかもどこに地雷が埋まってるか分からん。)


 と個人念話をしてきた。


 まあ今のは風さんが(しっか)り踏み抜いたのは分かった。



「もうすぐ巨葉(きょよう)の採集地よ。行くわよ。それが終わったらホリマインまで一気に行くよ。」





 特におかしな事も一方的な暴力も無く、ホリマインに到着したのは22:10だった。

 クエスト品の巨葉は葉っぱ自体それほど大きくなかったが、花や茎と比べると葉が巨大過ぎた。由来は見たままだったが、アレを見た人にしかこの衝撃は伝わらないだろうな。


「とうちゃーーーく。こんなに自分の足で走ったの久しぶりかもー。そうだ宿取ろう。みんなで騒ごう。でもその前に夕飯食べて来るよ。行くなら今のうちに行っといで。」


 ピーちゃんのこの底抜けの体力は、一体どこから来るんだろうか。

 俺も便乗してご飯を食べに行こう。


「そうしたいのは山々だが夜中から予定あんだわ。ロビン達と約束がある。」


「じゃあ仕方ないね。こっちは二人で泊まるよ。」


(変な事すんじゃねーぞ。)

 と、風さんからまた個人念話が飛んできた。


 あの一方的なまでの暴力を見た後で、何をすると…出来ると云うのか。


「風さんまたなー。」

「風ちゃんオツカレー。」


「一応安全の為と登録の為に、ギルド・タワーでログアウトしよう。」


 云われた通りホリマインのギルド・タワーへ向かう。

 途中でピーちゃんが体を寄せながら、腰あたりに腕を回しその手の辺りに持ってきた尻尾を、ずっと撫で回していた。

 アレを見た後で無理やり払い除けるのも怖く、されるがままである。


 ギルド・タワーへ行くと自動的に登録され、二つ以上の町で登録されると地図に移動という項目が追加される。

 町のギルド・タワー内で地図を開き移動を押すと、目的地のギルド・タワーへ瞬間移動されるとピーちゃんが教えてくれた。


 地図を確認してみると、確かに[移動]と云う項目が増えていた。


 確認も終わったのでご飯を食べに行く。



 夕食を食べ終えてログインすると、少し遅れてピーちゃんも戻って来た。


「おっまったっせー。じゃあ早速馴染みの宿屋に行くよっー。」


 拒否権なんかないのだろう、左手を引っ張られながら古月亭(こげつてい)という宿屋に到着した。


「いらっしゃ、あらーラピスちゃんじゃない。いつもの部屋でいいのかな。」


「流石分かってるねー。あっ鍵頂戴。」



 何の鍵か内心冷や汗掻きながら、引っ張られていつもの部屋とやらへ入る。


『ガッチャッ』


「鍵は私のインベントリの中ねー。逃げようとしても力で私に敵わないのは知ってるよねー。と言う事で朝まで尻尾モフモフタイムだよ。ああ、ウィーちゃんは寝ててもいいからねー。」


 そう云われ腕を引っ張られたと思うと、大きなベッドに押し込まれた。


「ふふふふふふ、モフモフだー。そうだある程度なら触っても良いんだよ。等価交換だよー。」

 そう言いながら前の時の様に、その大きなお胸を押し付けて来た。


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