神様
「と言う訳であんたの罪は私の罪、だからもう洗いざらい話しちゃいなさいその様子だとまだ隠していることあるでしょ」
リリーは優しくだが有無を言わさない。
「……実は、私自身が魔王なんだ」
意を決しての告白に
「「えっ?えーーーーーーーーーーー‼︎」」
二人の叫び声が辺り一面に鳴り響いた。
「魔王‼︎なんで?いつから確かに魔族だってことは知ってたけど、まさか魔王、本人って待てよ……ゼムが魔王じゃなかったの?」
とリリー。
「魔王でも僕はギルティアのこと好きだから問題ないよ。勇者だってもうやめるつもりだし、聖なる武器も捨てて来たから安心して」
さらっと問題発言するアレン。
「あんたそれでも勇者か」
とジェイン。
「待て待て、1から説明する1から」
シリアスな雰囲気から一気に混乱状態になった勇者一行だったがギルティアがなんとか落ち着かせた。
ギルティアの話を聞いてリリーはしばらく考え込む様子だったが、気づいた疑問を口にした。
「私達なんのために戦ってきたの?そもそも戦う必要ないじゃん。魔物は自然発生で人間が嫌いなゼムは魔王じゃない」
「…………本当だ」
目からウロコだった。
「なんで今まで気づかなかったんでしょう、やっぱりリリーには敵わないな」
ジェインはうっとりした表情で呟いた。
「いやいやいや、僕たち馬鹿じゃないか、何故こんな簡単な事に気がつかなかったんだ。ギルティア何故もっと早く言わないんだ」
「みんなに……いや、アレンに嫌われるのが怖かったんだ」
「僕が君を嫌いになるはずないだろう、どんな君でも愛する自信があるよ」
「それは私だってアレンを愛している、だからわざとじゃないとはいえ、敵対したくなかったんだ」
自分たちだけの世界を作り出す二人。
「ちょっと、イチャイチャするの止めてもらえる?話しが進まないから。
でもまあ、そういう訳にもいかないんだろうね、私たちが戦うの止めたとしても
新たな勇者が出てくるだけだらから無駄。
もういっその事このままゼムを倒すついでに向こうの聖女をさらうってのはどう?
それで神様を呼んでこの事態をまとめてもらうってのは」
「え⁉︎」
あまりにも突拍子もないことを言うリリーの言葉を一同は上手く理解できていない。
「私たち色々と旅をしてきたけど、魔族と人間が手を取り合うだなんて正直無理だと思うのよ。今までが今までだからそのシラトスだかなんだか分からないけどさ再び手を取り合ったら戻ろうとか無責任な事言っているんでしょう?人間達を作ったのは神様なんだから
神様に直接なんとかしてもらいましょうってこと」
リリーは満面の笑顔で言い切った。