58 食卓で二人
お父さんは私を抱き上げたまま食卓まで運んでくれて、私をいつもの位置に座らせてくれた。
私の隣。
いつもアクトが座る位置にお父さんが座る。
あっと思ったけど、言えなかった。
「アクトくんが話があるって言っていただろう?」
「うん。それでお兄ちゃんに連絡とってもらったんだよね」
ぱぁぁぁぁあ!と効果音が聞こえてくるほど、明るい顔になった。なんでだ?少し悩んで、気づいた…!タメ口で話してしまった!お父さんの温もりといつもはアクトと話す位置に、気が緩んでしまったみたいだ。
でも、こんなに喜んでもらえているのに、戻す理由も思いつかなかったので、気づかなかった振りして、そのままタメ口で話すことにした。
「僕たちは、なんとなくではあるけれど、話の検討がついているんだ」
やっぱり。と思った。お義母さんの態度的にそうなのかもとは思ったけれど。それならやっぱり。
「知ってたんだ?」
「どうだろう。実は全然分かっていなかったかも」
と、言うと?
「ソンサは、全部知っているんでしょう?」
「なんで?」
なんで気づかれているんだろう…。怖い…。
「僕が知っている中でアクトくんが素?を見せてくれたのは、ソンサが起きてからがはじめてだよ。ソンサが倒れてしまった後からも、アクトくんにとって、ソンサはもう大切な人になってくれているように見えたしね」
そ、そんなふうに見えることがあったってこと?きになる……。
「僕たちに話すより先に、話してるかなって思ったんだ、合ってる?」
「合ってる」
「よかったよ。それなら、僕の知っている話を聞いてくれる?」
「アクトが話す予定の話は」
「もちろん。本人から聞くつもり。でも、間違って言わなくてもいいことまで言ってしまいたくないからさ。確認してくれるかい?」
「分かった」
これ以上辛い思いをさせる訳にはいかないし、その意見には大賛成だし、協力も喜んでする。
お父さんは、話し始めた。
「僕が知っているのは…」




