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55 目を見開く


 アクトの方を見る。アクトもその目そんなに大きくできたの!?ってくらい大きく見開いている。

「僕も。今のアクトくんも好きだよ」

 そこにお父さんが畳み掛ける。これは乗るしかないな。このでかい波に。

「もちろん私も。アクトのこと大好きだよ!」

 アクトの顔がみるみる真っ赤になっていく。さっきまであんなにかっこよく二人に話してくれてたのに…。今では顔から湯気がでそうになっている。ちなみにとてもかわいい。

「な、なんで?ねえさんは分かるけど、なんで母さんと義父さんがそんなこと言うの?」

 取り乱している。声が上ずっている。かわいい。ただ、私も少し緊張する。この答えはとても大事な気がしている。

「私という人間のこと、アクトはよく知ってるわよね?」

「え、う、ん?」

「ソンサさんには、これから知っていって欲しいのだけど。私はアクトと一緒であまり素直に好きだとか嬉しいだとか。こういうことを言うのって得意では無いの」

「そ、そうなんですね!」

 私に話しが回ってくると思わなくて、声が上ずる。アクトのこと可愛いとか言っている場合じゃなかった。

「それでもね、アクトがずっと頑張って伝えてくれるじゃない?」

 頑張ってるの伝わってる!

「フェンドは素直にどんどん伝えてくれるし、それなら私も伝えなきゃって思ったの。本当の気持ち」

 ふぇ?フェンド?フェンドさんって誰だろう。お父さんかな?

「それなのに、ごめんなさい。今の今まで全然伝えて来れなくて。ごめんなさい。もっと沢山伝えるべきだった」

「それを言うならっ、ぼくだって…」

「いいえ。違う。あなたは十分頑張ってくれていた。それを分かっていたのに私は何も返してあげられていなかった。ごめんなさい」

 アクトの目が泳いでいる。正直私も何回もシュミレーションした、【話したあとはこうなるかもしれない可能性がある】のどれにも当てはまらない斜め右上すぎて、戸惑っている。

 ふつふつと、喜びも、湧いて出てきている。

「でもね、今日ここに来る時、お父さんが私を叱ってくれたの」

 お父さんのことお父さん呼び!?じゃあ……フェンドって……。

 分かった!多分、おにいちゃんだ!!

 違う今はそんなこと考えてる場合じゃない!

「言いたいと思っていることは、言えるうちに絶対に伝えておくべきだって。あぁしておけばよかったこうしておけばよかったなんて、あとから思っても手遅れになったらどうしようもないって。思った瞬間もう口にしておくべきだって。私、そう言われて目が覚めた」

 あぁ、なんてこと。お父さんめちゃくちゃナイスすぎるし、お義母さん……。

 あと、お父さんが言うとしんどさもある。ロクから細かく聞いたから…。

「もじもじ、うじうじしている暇なんて、私には一秒もなかったんだって、やっと気づいたの。本当にごめんなさい。何度でも謝らせて欲しい。本当にありがとう。今までずっと頑張ってくれて」

 アクト…。お義母さん!分かってくれてるかもしれない…!

 私の心には喜びと感動と安堵とその他色々なプラス感情で溢れていた。嬉しくて嬉しくて堪らなくなって、アクトの反応を一秒でも早く見たくなって、隣にいるアクトの方を勢いよく向いた。

 そこには、目を見開いたまま固まるアクトがいた。

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