41 向き合う
ねぇ、ねぇさん
僕の話、聞いてくれる?
まさかアクトが急にそんなことを言ってくるなんて思わなかった。
アクトの顔は、すごく真剣で、でもよく見ると、それだけじゃない。どこか怯えが見えるような顔だった。
アクト・セーブに向き合う時がやってきた。
言葉は脳に勝手に浮かんできた。突然だった。それでも、しっかり向き合う覚悟は出来ている。そもそも、質問をしていけば分かると言われた日から今日まで毎日、すこ〜しばかり怯えながら質問していたのだし、今日がその日だったというだけのこと。
アクトが何かが嫌いだと、はっきり言った。 はじめてだった。それなりの理由かあるのとおもう。
はじめてだし、上手くできるか分からないけど、とにかく話を聞こう。出来るだけ、アクトに寄り添おう。
アクトが、話し始めた。
「僕に起こったトラブル、それがなんなのかはしっかりわかっているんだ。絶対にこれだってものがある。僕はずっとそこから動けずにいるんだ。何年経っても忘れられないそんな、トラブル…」
それは、多分。
「僕が仮面を被るきっかけになったことでもある」
そう、だよね。必死に頷く。聞いているよと全身で表現する。私はあなたの話を受け止めるよ。
「きっかけが、あるんだ。僕は元々、スキだのアリガトウだの、ウレシイだの、全部全部言えなかった。そもそも、話すことさえ得意じゃなかったんだ」
「とっても、意外」
「そう?なら嬉しい、頑張ったんだよ。僕」
「頑張ったんだね。アクト」
虚を突かれて、言葉が詰まったようなアクトはまた、話し始めた。
「……うん。僕は話すのも得意じゃないし、兄さん…とか姉さんみたいに、明るく話せるわけでも感情が顔に出るわけでもない、友達も全然いないし、家族相手にも上手く話せない、そんな子供だったんだよ。」
うんうん。それから…?
(何があったの、何があって、あなたは変わったの?)
「僕たちは、再婚で家族になったでしょ?」
「そうだね」
私とお父さんが魔力が繋がっていて、アクトはお義母さんと魔力が繋がっている。
「僕と、魔力が繋がっている、実の母さんと、魔力が繋がっている実の父親が、離婚したのは、ぼくのせいなんだ」




