39 わからない
すぎゆく日常の途中でアクトは。
「そういうこと、わからないかもしれない。自分でも意識していなかったけど」
こちらの目をしっかり見つめながら、ハキハキと言った。
「理由に心当たりとかあるの?」
「まぁ…。ある」
アクトはこれまたハキハキと言ったけど、理由は教えてくれなかった。
理由は教えてくれなかったけど、アクトは質問されて、思い直して気づいた。と言っていた。
マイナス方面のことに関して、アクトは自分がないと言っていいみたいで、しかもそれに私が質問して、初めて気づいた。みたいで。
ざっとアクトの不穏要素を思い浮かべる。
トラブルがなぁ…。重そうなんだよなぁ……。と思う。
アクトは質問をしていればいずれ分かると言っていたけど、アクトについて知れば知るほど普通の男の子な所と、普通じゃない所が見え隠れして、アクトの事がそもそも分からない。
あまりにも馴染んできたこの日常と共に不安を覚えていた。
でも、そんな不安を感じたって、どうしたらいいのか明確には理解できなくて、色々と試行錯誤はしつつも、変わらない日常を続けていた。
そんなある日のことだった。
その日はこの世界に来てから、初めての雨だった。そこそこ酷い雨で、雨が地面や葉に当たる音が酷く大きく感じた。
空を厚い雲が埋めつくしていた。
いつの間にやら、アクトはそこに立っていた。
「どうしたの?」
日常の一幕だと思った私は聞いた。
「今日の質問は?」
アクトの様子がいつもと違うことに気づいた。質問はいつだって、私が言い出して、聞いていた。アクトから質問を聞いてきたことなんて今までなかった。
口から勝手に飛び出した。
「雨って、好き?」
待ってましたというように、にっこりと笑った。
「だいきらい」
ねぇ、ねぇさん
僕の話、聞いてくれる?
アクト・セーブに向き合う時は、突然やってきた。




