27 天国が家にある
この家でなら、やっていけそうという自信に満ち溢れた私は先程の廊下を進んでいた。
進んでいたのだけど、右の壁にも左の壁にもドアが全くなかった。
まぁ、図書館があった右側は図書館のデカさを考えると納得だった。右の壁で次に見えるドアは図書館のもう一つの出入口になりそうなくらい図書館、大きかったから。
反対側にないのは、ここが家の端っこだと考えて納得した。二階もあるようだったし、一階は食卓と私とアクトの部屋と図書館なのかもしれない。まだあまりみて回っていないから分からないけど。
全然ドアが見えないので、考えながらズンズン進む。
考える事は、アクトに会ったらなんて言うか。さっき考えていたことの続き。
やっぱり出来ればアクトについて色々知っておきたいけど、質問は今日はもうできないし…。何がダメだったのかだけでもハッキリさせたいけどなぁ。
あと、アクトのトラブルを解決したい。
「一人一人に真剣に向き合いつつ、全員のことを忘れないでいてくれたら大丈夫」
と、ロクは…神様は言っていた。
真剣に向き合う…か。ロクは本当になかなかアバウドで難しいことを言う。
攻略対象、あ。自然と口から出ちゃった…。ロクに美男美女のみんなのこと、こう呼んだら?なんて言われた時は抵抗感あったのに。……分かりやすいし、もう思考に入り込んじゃったし、使わせてもらおう。
攻略対象が何人いるかも分からない。出来るだけ早く、仲良くなっておきたいけど……。
「焦らないで一人一人が一番大事!」
ん?頭の中に声が浮かぶ。ロクの声だった気がする。一人一人……か。確かにちょっと先のことまで考えすぎていたかも。焦らないで。っていいのか…。そっか。そんなに急がなくてもいいのかな?
それならまずは、アクトとしっかり向き合ってみなくちゃね。これから出会うであろう、美少年や美少女達の攻略対象のみんなのことは一旦置いておこう。
………お兄ちゃんのことも。
さて考えながら早歩きしていたから、結構進んだはずなのに、全くドアが見えない。確かに図書館は大きかったけど、流石に食卓からここまで遠いと不便なような気がするけど…。考えすぎかな。とりあえず行動だよね。
どんどん進む。どんどん進む。壁紙が真っ白だからか分からないけど、自分がどれほど進んだのか分からなくなる。そもそも進んでいるのかも分からない。
突然自分の足が止まった。
これ以上進むのはやめておこう。と思った。なぜだか分からないけど、足が一歩も前に進まなかった。ちなみに体力はまだある。ジャンプも楽しくできる。
「色々な呪いを与えまくってるから、第六感的なのを感じたら全部信じて」
と、ロクも言っていた。
アクトのお部屋に行くのは諦めて、食卓で待っていることにしよう。ご飯は食べにやってくるでしょう。来た道に戻ろうと振り返った時、
幽霊がたっていた。




