26 広い家
私はハンバーグが乗ったお皿を持って、小さな歩幅で歩いていた。
改めて考えて、こちらの廊下には来たことがなかったことに気づいたけど、まぁなんとかなるかぁと思いながら、どんどん進んでいく。
アクトを目の前にしたら、何をどう話そうかと考える。まず、嫌な思いしたよね。ごめんね。って言う。これは絶対、出来れば直ぐに言う。
ドアが見えたので、思考は一旦ストップ。しようとしたけど、このドアの先に居たらどうしよう……。
ま、まぁ!なんとかなるか!ポジティブポジティブ。なんとかなるなる!心の中でそう唱えながら、二回ノックをした。返事がない……。
「アクト〜、いる?」
そこそこ大きな声を出す。返事がない……。
少し考える…。うん。待っていても仕方ない。申し訳ないけど、勝手に開けて入ってみる。
「うわぁぁぁぁぁ〜!!」
これは……。すごい…こんな…。こんなことがあるんだ…。言葉が出ないよ…。なにこれすごい……。
これはどこからどう見ても……。
図書館だ〜!!!
見渡す限りの本本本。右を見ても本。左を見ても本。下を見て本だし、上を見ても本!
なんだここは天国か。心の底からそう思った…。サラッと右の棚にある本を眺めると、ラノベっぽいのもあった。最高だ。左の棚は大人向けっぽいけど面白そうな本。最高だ。
地域の図書館より、大きいかもしれない。家の中にこんなにでっかい空間を使って、そこに置かれているのが全て本……。
右の棚に面白そうな悪役令嬢ものを見つける。今すぐ読みたい気持ちに駆られる…。
そういえば昨日は読んでいなかった…。あぁ、昨日じゃないんだっけ。
……1ヶ月前だ。1ヶ月寝ていたんだった。
読みたい。すごく読みたい。
でも私の手には今、ハンバーグがある。
ハンバーグ…?
そうだった!違う違う!!そもそも、アクトに謝りに行っていたのだった。私のすっとこどっこい!
ここに居ては、離れられなくなってしまうことが分かった私は、家の中の図書館から出た。




