動く的-8
最近遅くてすみません。
打ち切るつもりも失踪するつもりもありませんので、ゆっくりマイペースに読んで頂けたら幸いです。
『ブモォォォ!!』
大きく叫びをあげながら、突進を始めるボア。スパイダーの方も何かしら準備をしているようだ。
それに対して身構える俺とは対照的に、ノアは微動だにしていないどころか、何もしていない!?いや、よく見ると何か操作しているようだ。
そういえば、ノアは丸腰で武器らしきものを何も装備していない。素手で戦うタイプじゃないだろうし、もしかして今装備しているところなのか!?
とにかくここは、俺が一旦敵を引き付けて……!
「うっさい!キモい!死ねぇ!!」
「……は?」
俺は、目の前の光景が信じられず、ポカンとしていた。傍から見れば相当滑稽な顔だっただろう。しかし、それも仕方無いだろ、こんなもの見たら。
俺の眼前には、光の粒子になって消えていくボアたちがいる。それだけじゃない、2匹と少し離れていたスパイダーまで、光の粒子になっている。
対してノアは、その場から1歩も動いていない。つまり、そのまま遠距離攻撃で3体を倒したのだ。
「おいおい、今の音って……」
ノアが攻撃する際に、乾いた破裂音が連続して鳴っていた。そんな派手な音が出る武器なんて、そんなにないだろう。つまり、ノアが用いた武器は……。
「やっぱり大きい音がするねぇ」
「そりゃ、発砲なんてしたら当たり前だろ」
ノアが手に持っているのは、拳銃だった。オートマチック拳銃のような見た目だが、正式な名称は知らない。
ともかく、ノアはこの銃でモンスターを射殺したのだ。
「反動もほとんどないみたいだし、いい感じだね」
「まぁ、そこはファンタジーだからな」
実際の銃は、ものすごく反動が大きい。間違っても、今のようにただの一般人が片手で連射出来る代物ではないのだ。
「ちなみに、弾は魔力だったりするよ」
「ちょ、マジかよ……!?」
どうやら、ただの拳銃ではなく、魔銃だったらしい。それなら、反動少なくてもそこまでおかしくはない……訳はないなうん。
というか、弾丸が魔力ってことはつまり、装填する動作が必要なくてトリガー引くだけでバンバン撃てるってことだよな?
「そんなん卑怯だ……」
「何を落ち込んでるの?」
そりゃ落ち込みたくもなるさ。こっちがメイン弓なのに対して、銃なんだぜ?しかも、実弾仕様ではなく、ファンタジー特有の魔銃とか……。
威力、弾速、コスパ、発射までの動作、すべてにおいて勝ってる要素がないじゃねぇか。
「改めて思うが、不遇だな……」
「まぁ、少し超技術な感じはするよね」
確かに、こんないかにもなファンタジーの世界で鎧着て剣とか槍とか振り回してるやつがいるのに、銃って反則じゃないか?
いや、魔法なんかが発達している世界だから、ある意味不思議じゃない、のか……?
「それにしても、威力高いなおい」
「それは、ボクのスキルのせいもあると思うよ」
「そういや、ノアのスキル構成はどうなってんだ?」
素人の片手撃ちとか、リアルだと出来ませんよね。




