動く的-7
最近リアルが忙しくて滞り気味ですみません。
時間が空いたらちょいちょい書いていますので、早かったり遅かったりします。
「そう死に急ぐなよ。《フォール》」
俺たちとボアの間に落とし穴を作る。大きさは、ボアと同じくらいだ。
「そんでもって、《アイスボール》っと」
ボアの足元を目掛けて、氷の玉を飛ばす。狙いはもちろん、穴に突っ込ませることだ。
「後は《スプラッシュ》でおしまいだ」
ボアが綺麗に嵌った落とし穴の中に、前回同様水を注いでいく。今回は、《スプラッシュ》を覚えたことで、大幅な効率アップだ。
しばらくすると、ボアが溺死して消えていった。それを見届けたところでノアの方に振り返ると、何とも言えない顔をしていた。
「今の俺だと、ざっとこんなもんなんだが……どうして引いてる?」
「いや、だってそれはねぇ……」
分かり易いくらい露骨に引いているノア。そんなに引かれるようなことはしてないんだが。
「森の中で溺死とか……斬新な戦い方だね」
「工夫を凝らしてるだけだっての」
「物は言いようってこのことだよね」
確かに、ちょっと普通とは違うというか、それでいいの?ってやり方な気もするがこれでやれるのだから問題ないだろう。事実、経験値も入るしな。
「それより、今度はノアがよろしくな?」
「分かってるよ〜」
軽い調子で頷いてはいるが、確か街から出るのは初なんだから、戦闘自体もしたことないと思うんだが……。
「まぁ、敵が現れるまでは素材集めだな」
「矢の他にもいろいろ使えるものはあるからねぇ。ボクにとってはなんでも素材だよ」
こんなことを言ったらすぐに出てくると思ったのだが、いつまで経っても出て来ない。そろそろ街に戻らないといけない頃なんだが。
「……うん、まぁ空気読んでくれるのはありがたいよ」
ちゃんと来てくれたのは感謝するよ。けどさ、普通そこはボアだけだろ。どうして新種のモンスターまでいるんだよ。
顔に張り付いたたくさんの複眼にそれぞれ別の動きをする細長い脚。恐怖と気持ち悪さが全面に押し出されたそいつは、俺たちよりも大きな蜘蛛だった。
「スパイダーか……キモいな」
「この大きさだとねぇ」
蜘蛛自体は嫌いじゃないんだが、さすがに大きさがヤバい。こうして見ると、複眼ってやっぱりキモいなとか若干現実逃避をしてしまう。どこを見ているのか分からないってのも恐ろしいな。
「スパイダーにボアが2体……手伝おうか?」
「いや、これくらい問題ないよ」
「りょーかい。まぁ、危なそうだったら、勝手に手は出すぞ」
「はいは〜い」
あくまで気楽に構えているノア。いや、緊張したりパニクったりするよりはいいのだが、ちょっと軽過ぎるような気がする。
いざという時のために、構えておいた方が良さそうだな。スパイダーの強さがいまいち分からない現状、備えておいて損はないだろう。




