動く的-4
すみません、体調崩して滞ってしまってました。
皆様も、お体には気を付けて下さい。
食事を終えてから数分後、俺たちは昨日ツバキがいたところに来ていた。バックの中に必要な物がほとんど入るから、身支度が簡単で手ぶらで移動出来るのはすごい便利だよな。
「うーん、そんなに早くはないと思うんだが」
「いないねぇ」
さて、来てみたはいいが、肝心のツバキの姿が見当たらない。露店だとしても、早々店の位置をズラしたりしないと思うけどなぁ。
他に考えられる可能性としては、やはりツバキがまだここに来ていないということだ。何らかの要因があって、まだここに来れていないのだろう。
原因については、おそらく寝坊か昼ご飯でも食べているのだろう。明確に時間は決めていなかったけど、そう遅くもならないはずだ。
「仕方ない、しばらくここで待つとするか」
「その必要もなさそうだよ?」
ノアが指差す先を見ると、ツバキがこちらに向かって来ていた。ナイスタイミングだな。
「ごめんごめん、遅れちゃって」
「大丈夫、俺らも今着いたところだったから」
「どうして、こんな時間になったの?」
「正直な話、中々デザインが決まらなくてな?試行錯誤してやっと納得がいくものが作れたのが今朝。それでまぁ、寝坊してしまった訳だ」
まぁ、だいたい予想通りの回答だった。集中すると時間忘れてしまうよな。まぁ、納得出来る物が作れたなら、問題はないだろう。
「ともかく、ほら。これが完成品だよ」
「おぉ……珠が小さくなってる?」
「あたしの《研磨》だとこの大きさが限界なのが悔しいね。もっと削れれば他にも案があったのに」
ツバキが渡してくれたのは、ネックレスだった。十字架をモチーフにしたそれには、真ん中に半分くらいになった珠が嵌っていた。
☆十字架のネックレス……十字架を象ったネックレス。真ん中に珠を嵌める穴がある。穴の周りの可動域にはウルフの爪が使われている。ミナト専用。
「なぁ、この星はなんだ?」
「なんか、依頼品に付くもので、専用装備ってことを表してるみたいだぞ」
「他の人は装備出来ないんだね」
なるほど、特注品だからその仕様か。安易に使い回されるのを避けるためか……?
「一応、可動式にして珠は取れるようにしといたから、もし違う珠が手に入ったら、嵌め替えることも出来るぞ」
「おぉ、サンキューな。そこまで考えてなかったわ」
そうだよな、わざわざ【赤】とかあったし、他にあってもおかしくないよな。
とにかく、早速装備してみる。うん、チェーンの長さもいい感じだ。
「やっぱり、いいなこれ。ツバキに頼んで正解だったよ」
「そりゃどうも。あたしとしても、気に入ってくれて嬉しいよ」
「ミナトはこういうデザイン好きだからねぇ」
十字架や髑髏、翼なんかに憧れるのは男なら必ず通る道だと思う。まぁ、俺は通り過ぎないけどな。




