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付加魔法は自分のために  作者: 仙堂レイ
第二章:十人十色
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動く的-3

寝落……ちてはないんですが、遅くなりました。

「えーっと、一応頼んだのはただのラビットスープだったと思うんですけど?」

「えぇ、そうですが、特別サービスです。遠慮しなくてもいいですよ♪」


 すごい笑顔で言われると、断り辛い。計算でやってるんだろうなとは思うが、例えそれでも断る訳にはいかない気がする。

 気がするんだが、だからといってこれは……。


「そうですね、ありがたくいただきますよ」


 うん、仕方ないよね。もう出されちゃったんだし、ここで断るのも悪いよね。


「それじゃあごゆっくり♪」


 店員さんが去ったのを確認して、深いため息を吐く。さてさて、どうしたものか……。いや、食べるしかないんだけどさ。


「ミナトの責任だからね、ボクは知らないよ〜」

「はいはい、分かってるっての」


 ノアだったら、すんなりと傷付けることなく断れるんだろうな。俺には何かこう、最初からその選択肢がなかった気がする。


「それにしても、ホント技術だけはすごいよな」

「そうだね、そこはすごいと思うよ」


 ラビットスープというだけあって、うさぎがモチーフになっているスープである。そこはいい、それは本来普通である。

 問題は、何故かそのモチーフに近付き過ぎていることだ。何でも現実(リアル)にすれば良いと思うなよ。


 しかも、今回は肉塊でうさぎを作っているから、何か昨日のやつよりグロい。ご丁寧に耳まで生やしてやがる。

 朝(昼?)からこんなヘビーなもん食べさせるかねぇ普通。ちなみに、ノアの方はごく普通の量だ。

 味自体はおいしいと分かってる分、余計に食べない訳にはいかないだろうし、辛いところである。ノアとのPTに支障が出なければいいが……。


「もう物理的に入んねぇわ」

「はい、ご馳走様でした」


 ノアの協力もあって、何とか食べ終えることが出来た。さすがに、PTの件を出されたら協力せざるを得なかったみたいだな。

 まぁ、渋々だったし、後で何かしらの埋め合わせはしてやらないといけないだろう。

 ともかく、これで準備は整った。ようやく、ツバキの元に行けるな。


「何か、ミナト嬉しそうだね」

「まぁな。今からツバキのとこに行くんだし、そりゃテンションも上がるだろ」

「ふ〜ん……」


 あれ?何かまた機嫌悪くなってないか?やっぱり、ラビットスープの件が引いてるのだろうか?


「それじゃあ、さっさと行こうぜ?」

「その後のこと、忘れないでよ?」

「分かってるって。その為にも、早くしないとだろ」


 あまり遅くなったら、おそらく門が閉められてしまうだろう。その前に帰らないとな。

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