始まりの街-16
「どういうことだ?あいつしか【使役】持ちがいないから確定したはずだぞ?」
「あぁ、不遇スキルらしいしな」
「それをお前が持っていたら、前提が……」
「大丈夫だよ、ミナトってばさっき街に来たばっかりだからね」
そう、あくまであの時点で【使役】持ちが他にいなかっただけで、今いる分には問題ない。もしかしたら、俺の他にも……いや、それはないだろうな。
「ともかく、俺ならそいつを扱える。いらぬ心配ってやつだ」
「そうかい、じゃあお節介ついでにもう一つ。この珠、そのままじゃあ使えないぞ」
「……えっと、そうなのか?」
だって、この珠を媒介にすれば使えるんだろ?だったら……あれ?どうやって媒介にするんだ?
「何かしら、装備に付けないとだな」
「なるほど、装備品にする必要があるのか」
つまり、この珠を装備していないと使えないってことだな。あれだ、装備品は装備していないと意味ないぞってやつだ。
まさか、こんな精巧なゲームで今さらそのようなことを再認識させられるとは……。いや、リアルになったからこそ、尚更その辺は重要ということか。
「これを何かに組み込むとすれば……ネックレスか?」
「指輪に付けるってのもありだね」
他には……ベルトとかもギリギリいけるか?ピアスにしては大きいし……武器に付けれたらいいけど、弓だしなぁ。
とにかく、どうするにしても加工してくれる場所を探さないといけないな。
出来れば、こういう一点モノはNPCではなくプレイヤーに頼みたいところだが……。いや、NPCでも良いんだけど、何か規格化されるというか何と言うか……オリジナリティが欲しいよね。
それに、プレイヤーに頼めば向こうのレベル上げにもなるし、交渉とかも出来そうだ。
「そうなると、アクセサリー系だね」
「あぁ、小物になるだろうな」
「だったら、丁度いいところがあるよ♪」
今度は雑貨屋にでも行くのだろう、声が上がっている。まぁ、自分の好きなものでテンションが上がるのは、老若男女問わず人として当たり前のことだよな。
「よし、そうなったらグズグズしていられないよ。マスター、ありがとね」
「おうよ、何か欲しいもんがあったらまた来な」
「マスター、1万Gはよ」
「ちっ、覚えていやがったか。ほらよ」
正当な対価を要求したのに何故か舌打ちをされつつも、マスターからお金を受け取る。
って、そうしてる間に、ノアがもう店を出てるんだが!?
「ありがとな、マスター」
「いいから、あの嬢ちゃんを追いかけてやんな」
気の利くマスターの声を背に、勢い良く外へ飛び出す。しかし、勢いが良過ぎたせいで、店を出てすぐのところで待っていてくれたノアにタックルしてしまった。




