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付加魔法は自分のために  作者: 仙堂レイ
第二章:十人十色
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始まりの街-12

 ノア曰く、1日かけてイグニスの情報を集めてたらしい。だから、モンスターについては知っているが、戦ってはいないようだ。


「そういや、事件が起こってる時の街はどんな感じだった?」

「そりゃもうピリピリしてたよ」


 なんでも、掲示板などでは頻繁に犯人について考察され、いくつもの犯人像が浮かび上がっていたが、どれも的外れだったそうな。

 探偵みたいに嗅ぎ回っている人や、そこら辺の人に虱潰しに当たっている人なんかもいたらしく、街中大騒ぎだったらしい。


「ホント、『誰かさん』には感謝だよね〜」

「……どうしてそこで俺を見る」

「だって……ミナトでしょ?答え導き出したの」


 うわ、完全にバレてるよ。声に一切の淀みがない。


「どうしてそんなこと……」

「犯人を探す時に、【使役】持ちのこいつって門番さんが似顔絵のようなものを配ってたんだよね。それで、情報の出処を聞いたところ、『エルフ耳の冒険者』が実際に【使役】を使って実演してくれたらしくてね。そんなの、ミナトしかいないでしょ?」


 えぇはい、まったくもってその通りですよ。そうか、エルフは他にいないんだもんな。それが掲示板や街中でも広まったから、さっきのプレイヤーやNPCたちがこっちを見てきたのか。


「それにしても……まさか【使役】持ちが犯人だったとはねぇ……。それは盲点だったよ」

「みんな、【調教】だと思ってたのか?」

「そうだね、ユニークモンスターでも仲間に出来た人がやってるのかと思ってたよ」

「まぁ、普段見慣れないやつだったらしいからな」


 ユニークモンスター……所謂レア種で、通常のモンスターより何かしら秀でている能力を持ったモンスターのことだ。

 出現確率が低いことはもちろん、通常のモンスターよりも強力で、恐らく【調教】での仲間に出来る確率も大幅に下がっているだろう。

 それを考慮したら相当の冒険者……そうなるのは自然だよな。実際は、低レベルの冒険者による子供騙しだった訳だが。


「ボクがミナトに出し抜かれるなんて……」

「何でもケースバイケースだって。今回は、【使役】を持っていた俺に有利だっただけだよ」

「不遇スキルの癖に、みんなの目を欺くとは……」

「まぁ、何でも使いようってことだな」


 実際、理由はどうあれ、あのチンピラは大勢のプレイヤーの目を誤魔化してみせたのだ。それだけは、尊敬出来る点だろう。


 まぁ、恐らく【使役】の情報が十分に揃っていなかったというのも働いたとは思うけどな。

 何せ、NPC含めても街にいた【使役】持ちは1人だったし、掲示板にも不遇スキルってことで名が出ていただけで、どういうものかまでは分からなかったしな。


「まぁ、下を侮るなかれってことさ」

「不遇スキルの塊が必至こいて言っても、あんまり説得力ないよね」

「んなっ!?今に見てろよ、俺は誰よりも強くなってやるからな?」

「はいはい、期待してますよ〜」

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