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付加魔法は自分のために  作者: 仙堂レイ
第二章:十人十色
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始まりの街-8

『なに、そう簡単に人を殺めたりしないさ。生き方にもいろいろあるし、彼が正当な手続きでももってやっていたなら止めなかったしね。何せここはイグニス。もちろん、闇ギルドみたいなものも探せば出てくるかもよ?』


 うん、それはあると言っているのと同意だ。そこを通せば、ブラックなことでも、こうしていちいち介入したりはしないと言っているのだろう。

 今回は、独りで身勝手にいきなり大勢のプレイヤーに迷惑をかけた罰ということや、モラルはしっかりとしろよ?的な注意も兼ねたものだったんだろうな。


『それと、五感や現実での身体はこちらで掌握していることは事実なので、あまり逸脱し過ぎた行動をして、我々を怒らせるようなことはしないでもらいたいね』


 まぁ、そうだよな。すべての権限はゲームマスターのものだ。良くも悪くもな。

 いやまぁ、現実世界の身体を預けるのは怖いけどさ。


『それでは、良い人生を』


 映像は切れ、風の吹く音だけが辺りに響く。

 うん、死んではいないし外傷もなかったのでグロテスクではなかったが、ショッキングな内容ではあった。

 うん、恐らく大勢のプレイヤーはテンションダダ下がりだろう。

 それと同時に、少しでも考えを改めたプレイヤーがいることを願う。


「ったく、変なもん見せてくれるぜ」

「一応、グロくならないように配慮してはいそうだけどな」


 多分、やろうと思えば簡単に、もっと残酷に出来ただろう。

 それをしなかったのは、自分の力を知らしめるためだろうが、こちら側にも配慮があったと思う。


「まぁ、どちらにせよ『誰かさん』のお陰で解決したようだし、そろそろ入れてくれるだろ」


 何か含みのある言い方してくるな。いやまぁ、恐らく俺の情報をNPCが役立ててくれたんだろうけどさ。


「まぁ、日も暮れてきたし、さっさと宿とって明日からに備えないとな」

「ピンキリだろうけど、お金が必要だってこと忘れてないよな?」

「……まずは換金所だな」


 いや、忘れてた訳じゃないんだぞ?ただちょっと他のことに気を取られてただけだ。


「すみません、お待たせしました。門を開ける許可が下りました」


 しばらくして、ようやく門番が帰って来た。どうやら、きちんと許可が出たみたいだな。良かった、これで街に入ることが出来る。


「ありがとうございました。犯人を捕まえられたのは、貴方のお陰です」

「それは何より。ところで、どうして犯人を特定出来たんだ?」

「それはもちろん、貴方が言っていたように【使役】持ちだったからですよ」

「他の要因は?」


 いくらスキルが分かるからといって、それだけではただの容疑者でしかない。何かしらの決定打があったはずだ。


「ありませんし、必要もないですよ」

「それってどういう……」

「あんな不遇スキルの持ち主は他にいなかった。ただ、それだけです」


 あぁうん、そうですよね……。

 まさかNPCにすら不遇スキルとして認知されてるとは……。


「何はともあれ、これで門が開けます。ようこそ、始まりの街『ルイン』へ」

スキル自体の説明は、キャラメイク時にされます。

並の不遇スキルはその時点で見分けられます。

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