始まりの街-5
ホント、不定期ですみません。
もちろん、優遇というか使えるスキルもたくさんある。例えばハヤトが持っている【筋力強化】なんかは、直接的な攻撃力の強化はもちろん、装備が扱いやすくなったり生産でも道具を扱う負担が軽くなることで作業がしやすくなったりと、汎用性に富んだスキルだったりする。
『【回復魔法】のレベルが上がりました。アーツ《キュアポイズン》を習得しました』
ハヤトにひたすらキュアをかけていると、新しいアーツを使えるようになったみたいだ。ふむ、キュアポイズンか……。
「うーん、キュアポイズン」
「グハッ!?」
とりあえずハヤトに使ってみたものの、何故か苦しそうにしている。どういう事だ?
「キュアポイズン」
「ふぅ……何しやがる」
先程とは一転、何事もなかったかのようにケロッとしているハヤト。うーん、これは……。
「キュアポイズン」
「げふぅ!?」
再びキュアポイズンをかけると、今度も苦しんでいる。まさかとは思ったが、やはりそういうことか。
「こりゃまた、回復と呼べんのかなぁ……キュアポイズン」
「くぁwせdrftgyふじこlp!?」
しまった、これ確率なのか。ハヤトがなんか言葉にならない言葉を上げている。恐らく、体力もぐんぐん減っているのだろう。
「すまんすまん、キュアポイズン」
「マジでこんなところで死ぬかと思ったぞてめぇ……」
門前で死に戻り、しかも味方の魔法によってとか……うん、いろんな意味で話題になりそうだ。
ともかく、今ので《キュアポイズン》がどういうアーツなのか大体分かったと思う。
「で、今の攻撃が回復魔法だってのか?」
「あぁ、《キュアポイズン》は、その名の通り毒状態を回復させるアーツだな」
「むしろ、毒状態にされてた気がするんだが……」
そう、何故か毒を治すはずのアーツで毒になってしまったりしたのだ。だが、多分これは仕様だろう。
「毒を持って毒を制すって言葉があるだろ?」
「……おい、これは本当に回復魔法なのか?」
「まぁ、一応治ったりはしてるな」
ハヤトも言ってる意味が理解出来たようだが、怪訝な顔をしている。そりゃそうだ、こんな方法いろんな意味で破綻している。
《キュアポイズン》ってのは、要するにマイナスとマイナスをかけてプラスになるように、かかっている毒とは別の毒を用いて中和しようというある種化学的だが頭の飛んでるやり方をするアーツなんだと思う。
もちろん、健康状態の人にはただの毒なので、逆に毒状態にしてしまったり、かける毒を間違えて効果が強くなるとかいう、治す気ないだろこれって感じのアーツだ。
これはもう、不遇とか以前に、何か根本的な部分に間違いがある。しかも、恐らくこれで正常な効果だというのがもう救いようがない。ある種、ギャンブル技だろこれ。
「やっぱり、不遇スキルだなぁ」
「いや、問題がベクトル違い過ぎるだろ」




