始まりの街-4
「キュア………キュア………キュア」
「うーん、微妙に眩しいんだが」
「エフェクトなんだから、慣れろ。キュア」
ハヤトに向かって、《キュア》を連打する。回復はしてなかろうが関係ない。かけるだけで経験値は入るのだから。
本当はソロでも【使役】を使えば上げる事は出来るが、あれは消費が大きくて厳しい。元々、《キュア》自体も消費対効果が釣り合っていない代表格のアーツなので、連発は容易ではないのだ。
「それにしても、またお前らしいスキル取ってるよな」
「その言葉、そっくりそのまま返してやるよ。まぁ、俺のが酷いのは認めるがな」
ハヤトもハヤトで、こちらの予想通りのスキルを選択している。この辺、俺らの目的とするキャラってのは早々ブレないってことだろうな。
ただまぁ、この世界において俺の目的のキャラは不遇らしい。現実に考えればその通りなんだろうけど、そこをゲーム補正で補って欲しいものだ。
「大丈夫だろ。不遇スキルやクソスキルはあるだろうが、いらないスキルはない。考えようだって」
「それは分かってるさ。問題ない、使いこなしてやんよ」
そう、多種多様なスキルが溢れているが、全部何らかの意味はあるだろう。マトモな使い方で使い物にならないなら、マトモじゃない使い方をしてやればいいだけだ。それこそ、ビックボアを倒した時のようにな。
「そこは心配してねぇわ。お前は基本やり方が汚い」
「限りある制限の中で最大限にやってるだけだ。チートとか改造は絶対にしないし、実現可能なやり方なんだから問題ないだろ」
まぁ、確かに俺は普段から変なというか尖ったやり方、回りくどいやり方を好む。ハヤトみたいに正面から突破する方法は嫌いじゃないが、相手の裏を掻く方が性に合ってるんだよな。
簡単に言ってしまえば、相手が嫌がるようないやらしい戦い方をするってことだ。
あと、ゲーマーなら全員そうだと思うが、チートや改造なんかを使う奴は本当に許せない。俺TUEEEEがしたいのは、まぁ理解出来なくはないが、その為に努力を惜しむのは駄目だ。
誰もが練習すれば強くなるとかは幻想だし、壁は絶対に存在すると思うが、それでもやらないよりは遥かにマシで有意義だ。
「ちなみに、他には何を取ってるんだ?」
「【弓】【罠師】【付加魔法】だな」
「おいおい、全部悪い意味で話題になってるスキルじゃねぇか」
「そうだな、ゲーム側からのお墨付きだよ」
ホント、我ながら酷いラインナップである。ハヤトによると、その手の不遇スキルを纏めたスレッドがあり、俺のスキルは軒並み名を連ねてるそうだ。
他には、やはりノアの持ってる【料理】や、【解読力】、【ハルバード】なんかがあるそうだ。
食べる必要のない【料理】や、普通にこの世界の文字は読めるので意味のない【解読力】、現状作る方法がない上に【斧】や【槍】等で扱えそうな【ハルバード】。確かに、どれも不遇スキルだな。




