始まりの街-3
「でも、あのようなモンスターを従えている奴が本当に強くないのですか?」
「あぁ、そうだな。サモン」
手っ取り早く説明するために、先程のラビットを再び召喚する。
「なぁ、こいつを連れていて、強いと思うか?」
「いえ、いきなり出てくるので、驚きはしますがそれほど……」
そう、びっくりはするが、ただそれだけ。この程度のモンスターにビビるような奴はいないはずだ。
「でも、よく見てみろよ。こいつの牙」
「ん……!?これは、一体どういうことなのですか!?まさか、特異種?」
やっぱり、ものすごく驚いている。人というのは、知らないものに過度の畏怖を覚えるものだ。それが、自分の常識を外れていればいるほどな。
「残念ながら、そんな珍しいものではなくて、何処にでもいるただのラビットだよ」
門番の前で牙を外し、元のラビットの姿に戻してやる。彼は警戒は緩めたものの、怪訝な顔をしている。
「それで、今のがどうかしたのですか?」
「早い話、その赤いウサギもこいつと同じってことだよ」
「つまり、ただの見掛け倒しのモンスターだったと?」
「そゆこと。だから、特に警戒しなくても2〜3人で囲めばどうする事も出来ないだろうよ」
むしろ、こんな不遇スキルをわざわざ取ってスキル枠を潰しているのだ。並みの冒険者よりも戦闘力は低いだろう。
あと、プレイヤーは殺傷行為に制限を設けられている。頑張っても気絶させれる程度だろうな。
「それより、早いとここの情報を広めて、事件を解決してくれないか?門限で街に入れなくなるとか勘弁だぜ?」
「そうでありますな!ご協力感謝致します」
詳細な説明を終えたので、後は街の中の人達が何とかしてくれるだろう。というか、ここまで口出ししておいて逃がしましたとか言われたら何かショックだ。
「なぁ、話は終わったのか?」
「あぁ、これで後は時間の問題だろうよ」
説明の時には一言も口を挟まなかったハヤトが、欠伸をしながら尋ねてくる。こういう時に一任してくれるのはありがたい。
というか、寝てなかった、よな?
「さて、じゃあその間、昼寝でもしとくかな?」
「もう夕方だぞ〜」
「寝れる時に寝ておく事も必要なんだぜ?」
うん、やっぱりこいつさっき寝てただろ。まぁ、いつ何が起こるか分からないし、そういう考えも必要なんだろうけどさ。
だからって、門の前で寝るのはどうなんだよ。
「そうだ、ついでだからレベル上げの手伝いしてくれね?」
「めんどくさい事は嫌だぞ?」
「大丈夫、お前は寝てていいから」
「ん?まぁ、それなら」
「サンキュー」
無事にハヤトの許可も得られたので、地道にレベル上げをしよう。俺の持ってるスキルでソロだとレベルが上げにくい【回復魔法】を中心に……いや、もう【回復魔法】だけ上げてればいいか。




