始まりの街-1
第二章、開幕です。
さて、街に着いたのはいいが、以外としっかりした街並みで、城壁が周りを取り囲んでおり、現状俺の前には大きな門が立ちはだかっている。
「なぁ、なんで閉まってるんだ?」
「うーん、オレが出た時には、確かに開いてたんだけどなぁ」
どうやら、ハヤトも知らないらしい。日は傾いてはいるが、まだ門を閉めるには早い時間だと思うが……。
仕方がないので、とりあえず門番らしき人に話を聞いてみる。
「すみません、中で何かあったんですか?」
「君は……あぁ、冒険者か。ちょっと強盗があったらしくてね、なんでもいきなりモンスターが現れて、逃げ出すと家の中から金目の物が軒並みなくなっており、モンスターもいつの間にか消えてるんだとか」
強盗、ねぇ……。手口が回りくどいし、何らかのアーツを使っているみたいだから、恐らく犯人はプレイヤーの誰かだろう。
NPCなら、PK制限とかないだろうし、家主を殺ってしまえば早いからな。
「そんな事が昨日から相次いでるみたいだからね。街に閉じ込めて、犯人探しって訳さ。幸い、中に入るにはステータスの提示が必要で、誰がどのスキルを持っているか分かるから、そんなに時間はかからないだろうけどね」
ハヤトに目線を向けると、小さく頷く。どうやら、ステータスってのは、一種の身分証明書みたいなものらしい。
でも、スキルが分かっているのに、未だに犯人が捕まらず犯行を繰り返しているということは……。
「なぁ、何のスキルを基準として調べてるんだ?」
「もちろん、【調教】です。手口からして、当然ですな。特に、サーカスや一部の商人が容疑者としてピックアップされてるそうです」
あぁ、うん。普通そうだよな。
モンスターが襲っているのだし、それを操っている奴を探すべきだろう。
だが問題は、別にある。
「ちなみに、襲って来たのは、どんなモンスターなんだ?」
「えっと、確か情報によると……角の生えたウサギですね。なんでも、草原にいるのとは違い、赤い毛並みで額に一本の角が生えてるそうです」
ふむふむ、つまりは珍しいというか見た事もないようなモンスターに驚いて逃げてしまうって訳か。となると、重要なのは強さではなく見た目か……。
草原のとは、見た目が違うだけっぽいし、多分これは……。
「ちょっと驚かないでくださいね?サモン」
「!?」
やっぱり驚いてはいるが、声には出さないところがプロだよな。ちなみに、瞬時に武器をモンスターに向けているところも。
まぁ、俺が命令しない限り襲われることはないので、ラビットに近付いてその口に戦利品であるバットの牙を装着する。
その状態で戻し、もう一度召喚してみると、先程と同じく牙を装備したラビットが現れた。
やはり、こういう仕様だったか。




