ソロプレイ-13
「そういや、この珠はなんだ?」
ビックボアが居なくなった水たまりの底には、さっきまでなかったはずの珠が落ちていた。
「サモン」
ラビットを召喚し、別の穴から道を繋げて水抜きをする。何かラビットが溺死してしまったが、まぁ仕方ないだろう。
ドロドロになった地面に直接降りて珠を拾い上げる。ピンポン球くらいの大きさで深紅に染まったその珠は、触った感じ石のようで丸いルビーのようだった。
???……ビックボアから落ちた紅い珠。詳しくは《鑑定》しよう。
やはり、ドロップ品だったようだ。しかし、どうして直接アイテムバッグに入らなかったのだろう?
一応確認してみると、ビックボアの肉と毛皮、牙がバッグに入っていた。何か、報酬多いな今回。
まぁいい。これが何なのかは、街に行けば分かるはずだ。NPCに鑑定屋くらいいるだろうし、多分それ系のスキルを取っているプレイヤーもいるはずだ。
「それにしても……めちゃくちゃだな」
目印を頼りにさっきのところまで行こうと思ったが、そんなものなくてもいいようだ。
何せ、木々が倒れて1つの道が出来ている。改めて見ると、よく此処まで逃げてこれたものだと思うわ。
まぁ、お陰で道に迷うことはなく、さっきの場所まで戻って来れた。森に関しては、ゲームならではの超速復帰を望むばかりである。
「よう、まさかとは思ったが、やっぱりお前だったか」
森を抜けた先は確かに草原で、そこには1人の冒険者風の男がいた。まぁ、あいつである。
「よう、楽しんでるな」
「おうよ、そっちこそ派手にやってんじゃねぇか」
鉄製の胸当てや篭手、足具等で必要最低限の箇所だけを覆っている。いわゆる、軽鎧装備というやつだ。防御をそこそこに、動きやすさを優先させた装備だな。
そのくせ、背負っている獲物は大剣なんだから、どことなくアンバランス感がある。
「エルフが森林破壊とかどうなんだ?」
「森の民だって必要な分の木は切ってるさ。まぁ、これに関しては、モンスターのせいだからな?」
あくまでやったのは、ビックボアだからな?
俺の魔法では、出来なくはないだろうが厳しい事は間違いない。
「それより、珍しいな。ハヤトが白髪選ぶなんてさ」
顔や声、体格なんかは同じだったが、髪が白髪で確かショートウルフとかいう髪型だった。
いつもは髪型は変わるものの、色は茶色や金色系だったので、少し新鮮だ。
ちなみに、瞳は通称『狼の眼』と呼ばれる琥珀色をしており、もはやライオンなのか虎なのか狼なのか分からなくなってるな。
「そりゃ、たまには気分転換くらいするっての。……って、えっ?」
慌てたように髪の毛を一本抜いて確かめているハヤト。うーん、これはどうやら、予期せずなっていたみたいだな。
となると、影響しているのは恐らく……。
ようやく他のプレイヤー(ソロ)に会いました。




