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付加魔法は自分のために  作者: 仙堂レイ
第一章:日常の終わり
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ソロプレイ-4

 その後、しばらく雑談をして、ノアとのチャットを切り上げた。そろそろ、俺も動かないとだしな。


 まずしないといけないのは、状況の把握だ。ここが何処だか分からないが、恐らくリスポーン地点になるだろうし、安全を確保しないとな。


「おいおい、いきなりかよ……」


 さすが森の中にある廃墟。すでにモンスターの住処になっているらしい。

 目の前には、ボアという全長1メートルくらいの猪がいた。

 何故分かるのか?そりゃ、頭の上にご丁寧に名前とHPらしき緑色のバーが見えるからな。


「さて、どうしたものか……」


 ボアはこちらに気付いていないようで、呑気に横になっている。やるなら今だが、矢を使ってもいいものか……。

 そもそも、弓を使った事もないし、無駄に消費する訳にはいかないよな。

 となると、別の手札を切らないといけない訳だが、この場面で使えそうなのは……。


「やっぱり、これしかないよな。アクアボール」


 水属性の初期魔法、《アクアボール》。ハンドボールくらいの大きさの水で出来た球を打ち出す魔法だ。

 これをボアの横っ腹にぶち当てたのだが……うん、10分の1減ったかどうかくらいだな。

 連続して当ててやりたいところだが、やはり多少なりとも待ち時間(ディレイ)があるらしい。

 2発目を放とうとしたところで、ボアが起き上がってしまった。


「くそっ、本当にコスパ悪いなおい!」


 与えるダメージに対して、消費や待ち時間が長い。いや、これは属性相性の問題か?

 恐らく、森に住んでいるんだし、水属性には耐性があるんだろう。


「っと!危ねぇな」


 突進をしてきたボアを、間一髪回避する。やっぱり、身体能力は現実(リアル)より結構強化されてるな。

 通り過ぎたボアに追い討ちでアクアボールを当てるが、やはりほとんど減らない。これは、何か方法を考える必要があるようだ。


「といっても、パッと思い付くのは2つだが……とりあえず、試してみるか」


 まずは、こいつだから効きそうな方からにしよう。上手くいけば、多分後のよりダメージ出そうだしな。

 ボアと十分に距離を取って、奴と衝突する前……ここだ!


「アクアボール!」


 地面に向けてアクアボールを打ち、すぐに横っ飛びをして回避する。

 倒れた俺の耳に確かに聞こえて来たのは、何かがぶつかった大きな音だ。振り返ってみると、ボアがいると思われる場所には、崩れた外壁が積もっていた。


 ボアが突進してくるのに合わせて足元をアクアボールで滑りやすくしたのだ。

 ブレーキされて止まるか心配だったが、どうやら成功したみたいだな。


 今ので7割は飛んだんだろう。瓦礫から辛うじて這い出てきたボアにアクアボールを当てると、光の粒子になって消えてしまった。

初戦闘終了です。

初めから搦め手を使わないといけない程度には、相性でも不遇です。

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