New!公務執行妨害
詰んだ。
これはさすがに詰んだ。
「すみません警察さん…僕が美しいばっかりに…」
オッサンは警察官に向かって頭を下げた。
何故コイツはこんな状況になってもふざけ倒せるのか。なんて事はどうでもいい。とりあえずこの状況から抜け出す事が最優先だ。
「ふざけてないで署まで黙って着いてきてください!」
「嫌だぁぁぁぁ!前科アリの妖精なんてモテない!!」
「あんたが罪を犯したりしなければいいんでしょ!」
警察官はドアを出し、入れと促した。
普通の妖精が使っているのより大きめで、手帳と同じ妖精マークが入っている。
ここに入ってしまえば全てが終わる。なにか、なにか手段は無いだろうか。
「あのー、私人間なんですけど入らないとダメですか」
「もちろんです。あなたも指名手配されている容疑者の1人ですからね」
「ですよね…」
「さぁ、入ってください」
仕方ない、もう諦めるか。
この旅が終わっても終わらなくても人間界の私の居場所はもう無いのだ。
観念してドアノブに手をかけた。
「ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!」
突然響き渡る断末魔。
しゃがみこむオッサン、駆け寄る警察官。
「どうしましたか!?」
「引っかかったなボケェェェェェェェ!!」
オッサンは屈んだ体制の警察官の顎に向かって思い切り立ち上がった。
警察官は数センチ吹っ飛び、気絶してしまった。
「ちょっと!!!!何してんですかアンタ!!」
「こうするしか!こうするしか無かったんですぅぅぅ!!」
「これはもう言い逃れ出来ないですよ」
「起きた時警察さんの記憶が無くなってる事を祈るしかないね!逃げよっ!!」
まだ5つ中1つも界を抜けていないというのにここまで犯罪行為をして大丈夫なのか?
仮に旅が無事に終わったとしてもたどり着く先は刑務所な気がするが、とにかく私たちは走った。




