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オッサンフェアリーと私  作者: さむぺん
第1章 妖精界
21/26

指名手配犯、捕まる。

 妖精マダムの言った通り、少し歩いた先にホテルがあった。

 2階建ての横長な建物。ざっと20部屋はありそうだ。


「アパートみたいですね」

「なんとこれ、ホテルなんです!」

「存じ上げてます」


 外にある看板を見る。

 1泊2500F……2500円って事なのかな。


「2500……Fって人間界のいくらですか?」

「5000円」

「予想の2倍でした」

「ちなみにさっきの妖精は5000Fくれたよん」


 という事は半分はお金が残るって事か。

 良かった、食料とか買う余裕はありそうだ。

 入口付近で中の様子を伺う。

 中の妖精は暇そうにテレビを見ている様子。


「ニュース見てますね」

「脅す?殴って気絶とか?」

「これ以上犯罪を犯すと本気で捕まります」

「確かにぃー!」


 しかし埒が明かない。

 このままここにいても展開は無い。

 行くか、諦めるかを決めないと。


「受付してきてください」

「なんで僕ぅー?やだぁ」

「人間が行ったら通報されますもん、私だってあなたに任せるの嫌ですよ」

「はぁー?行ってもらう立場でその言い方ー?」


 まぁ目立つ度で言うと、正直私もオッサンもほぼ同じだけど。

 私が妖精に見えるように出来ないのかな。


「妖精の服着たら私も妖精みたいになれますかね?」

「は?何頭メルヘンなこと言ってんの」


 どの口が言うのか、完全なブーメランである。


「その羽根とかって体から生えてるんですかやっぱり」

「当たり前じゃん、服から生えてたらコスプレじゃん」


 やはりそうだよな。そうなると私にはどうしようも無い気がする。

 やはりここはオッサンが頑張るしかない。

 顔さえ隠せばきっとバレる事は無いはずだ。


「うーん、どうすれば」

「さっきからどしたの、言動ヤバめぞ?」

「若者ぶってるそっちの方か気持ち悪いです」

「はーぁ?若者ぶってないし!失礼だなあたまメルヘン女!」

「そもそも頭メルヘンってなんですか!アンタこそ奇行しかしない底辺妖精の癖に!」


 オッサンがシュンとしてしまった。

 さすがに言い過ぎたか。

 しかし柄にもなく怒ってしまった。

 これも余裕が無いからなのかもしれない。


「君達」

「はい?」


 不意に声を掛けられ、振り返る。

 目の前に出された妖精マークの付いた手帳。


「妖精警察です。署まで同行してください」

「えっと、拒否権は……」

「ありません」


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