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0053-手を出してはいけない相手


 カイがその知らせを受けたのは授業が終わった休み時間にティルと話をしていた時だった。

一人の事務員が小走りで走ってきてカイに緊急の連絡事項を伝えた。


「カイ・トールソン君ですね?

冒険者ギルドの職員があなたに緊急で話があるからと校門前で待っています。

妹君の事らしいのですが…」


事務員は確かに伝えたと言って去っていった。


「妹君とはローラさんの事ですか?」


「………………………………多分。」


 ものすっごい嫌な予感しかしないが、兄としていかないわけにはいかない。

次の授業には出れないかもしれないと近くの生徒に伝言を頼むと足早に校門への向かった。



「…ところで何故殿下まで一緒に来るので?」


「だってローラさんの事ですよね?気になるじゃないですか。」


 だとしても次の授業もあるのだ、少々フリーダム過ぎないだろうか?

好奇心を持つことは大変結構な事ではあるが好奇心は猫をも殺すともいう。

少々、この好奇心で行動してしまう少女に小言の一つでも言ってやりたい…とは思いつつ。

しかし、今は妹の方が重要だと諦め校門へ到着するとそこにはレティがいた。

汗を滲ませるレティにハンカチを渡しながら聞いてみる。


「レティさん、ローラが何か問題でも…?」


「いえいえ、問題なんて起こしてませんよ…」という言葉を期待して言うカイ。

そんな甘っちょろい考えを持つカイに対して、レティは何があったのかを無慈悲にも説明した。


………


カイは顔を覆ってしまった…

やっぱり問題起こしたんじゃねーかと…



――――――――――


 西竜会の事務所には怒声が飛び交っていた。


「あのガキ、どこに逃げやがった!!」


「こっちだ!こっちにいたぞ!!」


あの後、ローラは組員たちの包囲網をかいくぐって組員たちと鬼ごっこを楽しんでいた。


「ほらほら、お~にさんこっちら、手~のな~るほ~うへ♪」


パンパンと手を鳴らし煽りながらヒラリヒラリと逃げていくローラ。

事務所の組員総出でローラを確保しに行くが…これが捕まらない。


「まだ捕まらないのか!!」


ザンジも怒りをまき散らしながら組員のケツを叩く。

それに答える形で発見報告があがる。


「兄貴の部屋にいたぞ!!」


「はぁ?鍵閉めたはずだぞ!!」


大慌てでザンジが自分の部屋に行くと、そこには書斎の書類を漁っているローラの姿。


「おうおう、色々やってんね~。」


ケラケラと笑いながらペラペラ紙を見せてくる。

そんなローラを囲みながら段々とその輪を小さくしていく組員たち。


「テメー、散々コケにしやがって…どこの組織のモンだ!」


「組織だなんて…野蛮な奴等だな。どっからどう見ても貴族の御令嬢だろ?」


「貴様の様な貴族令嬢がいるか!」


その怒声と共に全員で飛びかかる組員たちだった。



 事務所前には冒険者達が集っていた。

相手は西竜会というマフィア組織…皆、真剣な顔で緊張していた。

だが、カッツの必死な頼みに応えた冒険者達の意志が固かった。


 ビンフを先頭に、さあこれからローラを取り戻しに抗議に入るぞ…

という所で突然その事務所から黒髪黒目の美少女が飛び出してきた。

その飛び出してきた天使のような姿に冒険者達が全員硬直してしまう。

そして、その少女はそのままビンフの下へと駆け寄ってきた。


「ビンフ、耳を貸してくれ!」


 黒髪の美少女に突然そんな事を言われるビンフ。

誰なんだ?と思いつつも、切羽詰まった感じの少女に反射的に身をかがめる。

次の瞬間いきり立った組員たちもローラを追いかけて、扉から飛び出して来た。

そしてローラの姿を確認すると怒りのままローラに向かって殴り掛かって行く。

だが、その拳をローラはヒョイっと避けると…そのままその拳がビンフの顔面に命中。


バキッ………


その瞬間、冒険者達が怒りの声を上げた。


「こっちは話し合いに来たのに何しやがる!!」

「ふざけんじゃねーぞ、ビンフが何したって言うんだ!!」


そんな中、黒髪の少女も一緒になって抗議の声を上げていた…


「そうだそうだ、冒険者を舐めてるんじゃねーのか!?」


 そこから始まったのは…闘争であった。

双方、この突然始まった喧嘩にどこまで本気で戦っていいのかは分からなかった。

そのため武器こそ使わなかったものの、方や日常から恫喝や暴力で金を巻き上げている人間達。

方や日常的に外で魔物相手に狩りを行い生活する者達…

一般人が巻き込まれたらひとたまりもない、そんな戦いとなってしまった。


………


 だが、その戦いも徐々に優劣が決まっていった。

西竜会と言えども毎日喧嘩に明け暮れているというわけではなく、その仕事は暴力こそあれ交渉が主な仕事。

だが冒険者というのは魔物相手ではあっても暴力を伴う実戦が主な仕事、しかも個人個人がその場でパーティ組んで狩りに出かけるため、即興で連携する事は意外にもうまいのだ。

更に、西竜会はその前にローラとの追いかけっこで散々体力をすり減らしていた。

その内に冒険者達が西竜会の面々を囲むようになっていったのだった。



 そしてその戦いにも終止符を打たれる。


「双方そこまでだ!!」


声を上げたのは警備隊の隊長。

レティが依頼した警備隊がようやく到着したのだ。

警備隊が現れた…このまま喧嘩を続ける事はどちらも出来る事ではなかった。


――――――――――


 レティは馬車の中で震えていた。

それはカイに乗せてもらっている馬車の乗り心地が見た目とは裏腹に非常に悪い事から来たものではない。


 同乗者が原因であった。

先ず一人目のカイ、彼は全く問題はない。

むしろレティとしては同乗させてくれると聞いた時ウキウキだったほどだ。


 だが後の二人が問題だった。

一人はカイの護衛兼侍女…いや、侍女風護衛と言った方がしっくりくる。

美しい顔立ちなのに、頬に傷がある勿体ないと言わざるを得ないその風貌。

そして、毎日大量の乱暴な冒険者達を相手に受付の仕事をしているレティですら震えるほどの眼光。

何か問題を起こしたら即殺されると思わせる威圧感がある。

そんな人物が隣に座っているのだ。


 そしてレティの斜め向かいに座っている学園の制服を着た少女。

この人物が最も問題であった。

カイから同席するがあまり喧伝しないようにと釘を刺されつつも紹介された少女。

その名もティルセニア王女殿下…

国王陛下に次ぐ王国の権威の象徴。

レティの細い首などため息一つで刎ねることが出来る存在。


 そして辛いのがこの二人の魔力である。

噂では聞いたことがあった、本人はお忍びのつもりらしいが度々城下に遊びに出てきては歴史上最も高いと言われる魔力を能天気に振りまくティル王女殿下。

それにイライラしながらも無言で警戒するアルフィーの殺気とも思える魔力。

それがこの馬車の中に漂っているのだ…


 そんな中で冒険者ギルドという組織に興味を持ったティルがレティに対して質問を投げかけてくるのだ。

回答を間違えないよう細心の注意を払いながら丁寧に答えていく。

レティの胃がローラ対応をしている時に勝るとも劣らぬほどにキリキリ痛むのを感じる。


(これなら西竜会を相手にしていた方がマシだったんじゃない???)


涙目でそんな思いがよぎるレティであった…



――――――――――


「よく駆けつけてくれました。

私はトールソン男爵家の娘、ローラ・トールソンと申します。」


 そう言って警備隊長へ美しいカーテシ―を決めるローラは深窓の御令嬢と言わんばかりの美しさ。

それを目の前にした警備隊長も惚けて見とれてしまう…

だが横から「隊長?」と部下に呼ばれてやっと自分の役目を思い出す。


「男爵家の御令嬢がこのような場所に…一体何があったのですか?」


 その言葉にローラは丁寧に説明を始めた…自分が都合がいいように。

奴隷にされそうな友人であるカッツの借金を返すために西竜会に訪れたローラ達。

借金を返したはいいが、今度は囲まれて捕まってしまう。

カッツは解放されたがローラは身の危険を感じ隙を見て逃げた。

冒険者達はそんなローラを助けに来てくれた英雄である…と。

そしてとどめの一言。


「彼らは私が男爵家の娘だと知っていながら、攫って奴隷にして変態貴族に売ろうとしたんです!!」


「なんだと!?お前たち貴族に手を出し、奴隷にしようとしたのか!」


警備隊の全員がその言葉を聞いた瞬間に剣を抜く。

勿論、この場から一人たりとも逃がさないためだ。


「はぁ!?いや、違う、そいつの嘘だ!!

貴族だなんて名乗っていないしそもそもそいつが貴族なわけがない!」


「私は貴族の令嬢だと訴えましたし、名前も告げたじゃないですか!

私を売って大儲けするためにわざと信じなかったのでしょ?

そもそも私が警備隊の前で貴族だなんて嘘をつくわけがないでしょう!打ち首ですよ?」


 警備隊長に訴えかけるローラ。

チラリと西竜会の厳つい顔をみて、それに対してローラを見ると…

その美しさ、友人の借金をどうにかしてやろうという心の清らかさ、女性らしい仕草の一つ一つ。

どこかで会った事があるような気がするのが引っかかるが、こんな美少女一度会ったら忘れないだろう。

どちらを信じればいいかなど明白であった。


「捕えろ!」


「待て!そいつが貴族だって証拠がどこにあるんだ!」


 そう言って指を刺されたローラだが、正直紋章入りの短剣を見せればそれで終わり。

一点問題があるとすれば、トールソンの紋章が王都では知られてないので照会に時間がかかってしまう事だが…

そんな時、次の来訪者が現れたのだ。


 一台の立派な馬車が西竜会の事務所前に到着した、それも貴族の紋章入りの馬車…

そしてその馬車から出て来た学生服を着た男装の…令嬢…?

そして、ローラと同じ黒髪黒目…

この状況で現れた貴族の馬車にみるみるうちに西竜会の人間が青ざめていく。

警備隊の隊長がその姿を見てハッと気が付いて駆け寄っていく。


「カイ殿ではありませんか、何故このような場所に…?」


「おや、あなたは確か…」


 馬車から出て来たのが、先日の劇場占拠事件でも解決に協力があったトールソン家の嫡男。

この混沌とした状況に何故この青年が現れたのだろうか?

そう思いつつもふと、あの天使のような少女もトールソンと名乗っていた事に気が付きローラの方を見る。

するとローラはその出て来たカイに向かって駆け寄っていった。


「お兄ぃ様!!」


 カイの胸に顔を埋めると、条件反射でローラの頭を撫でるカイ。

麗しき兄妹愛である…が、カイの表情は苦々しいものであった。

ローラが髪を解いて丁寧な言葉遣いでカイにすり寄ってくる…絶対何かトラブルが起こった後であった。

そして周りの状況を確認するが、それはレティから聞いた通りの状況…

しかも一戦交えたばかりといった様相。

冒険者とマフィア組織が死屍累々で警備隊に囲まれている状態。


「これは一体どのような状況なのですか?」


 聞いたのはカイではなかった。

馬車から降りて来たもう一人の人物…

その顔を見た瞬間警備隊長は心臓が止まるかと思った…が、止めている場合ではなかった。

即座に跪き周りにわかるよう大声で挨拶をした。


「これは王女殿下、このような場所においでとは!!」


((((………は?))))


 一同、その言葉で思考が止まる…がそれを許さない警備隊長はすぐ周りの人間達に"さっさと跪け!"とジェスチャーを送り、全員がそのジェスチャーに従い跪いた。

そして、今度はローラが度肝を抜くような行動に出た。


「あれ?お姫さんも来てくれたんだ!」


そう言ってローラはティルの目の前に詰め寄り手を取りながら微笑みかけたのだ。


………ティルはそれだけでクラッとしてしまった。


 ローラの容姿は完全にティルのストライクゾーンど真ん中であり、お友達になりたいかと言われれば大きく頷きながらYesと答えるだろう。

そんな彼女がティルの手を取って微笑みかける…

鼻血が出そうとはこの事だろうか。

しかもこの兄妹は他のアプローチをかけてくる魔力自慢の男性陣とは違って高魔力で威圧をかけてくるようなマネをしないため、ティルもついつい身構えたりせずリラックスして応対出来るのだ。

そして、ティルの魔力に対して怯えたりしないのもポイントが高い、先日新たに入ったメイドもティルの魔力に耐えられず離職届を出しているのを知っている。

時折人員を交代させる事で対応しようと考えてはいるが、それではティルがリラックスできないというのが難題だ。


 この光景に西竜会の人間全員が汗が噴き出すように怯えていた。

聞いてない…このローラが貴族であり、しかも王女が直接駆け付けるような親しい間柄だなんて。

組の全員が一致で死んだと思った。

ここで暴れて何とか逃げ延びる?

…無理だ、ティルが現れた瞬間その漏れ出る覇気で全員足がすくんでいるのだから。


当のティルはというと、ローラに魅了され気が遠くなりそうな意識を何とか取り戻して尋ねた。


「ローラさん、これは一体どういう状況なの?

ローラさんが囚われたと聞いて大急ぎで駆け付けたんだけど…」


その言葉にローラがハタと気が付いたようにカイに向けて言う。


「そうだ、お兄ぃ酷いんだよ?あいつらが私を捕まえて変態貴族に売るんだってベタベタ触ってきて…

止めてって言ったのに。」


「………………………………あぁん?」


 ピキピキピキと聞こえてきそうな様相で、普段温和なカイの表情が鬼の形相へと変わっていく。

これには傍にいたティルすらも一歩引いてしまった。

トールソンでは割と有名な話、普段温厚なカイだがその沸点は意外にも低い。

特に絶対に触れてはいけない…やったら生きてはいけないと言われている事がある。

それが、妹のローラに手を出す行為…

カイがクイッとアルフィーに顎で指示を出すとアルフィーが西竜会の集団の中からザンジに近寄り…

その髪を掴み引きずっていく。


「い”でぇぇ、やめ、おいやめさせ…!!!」


 ザンジが抗議を上げるも聞かず、腕をどうにかしようにも歯が立たず、仲間に止めさせようとするもアルフィーの殺気に身動き取れない組員たち。

トールソン人にとってローラとは問題児であると同時に絶対に守らねばならない存在、義務と言っていい。

アルフィーから見てもローラに手を出す事はトールソン全体を舐められたに等しい行為なのだ。


 そのままアルフィーはザンジをカイの目の前に跪かせた。

なお、頭を足で踏みつけ、いつでも潰せるような体勢である。

これには周りの人間全員が恐怖するも、相手が貴族のため誰も何も言えない。

カイが目線を下げるためにしゃがみ、それでもなお下にある顔に向かって見下ろしながら囁く。


「さて…俺の妹を売ろうとしたってのは本当なのか?」


「ち、違う!それは貴族だって知らなかっただけで、知ってたらそんな事はしなかった。」


「それはおかしいな…貴族じゃなくても人を売ったらダメだろ?

それで、やった事実は認めるって事なんだな?」


「そ、それは…」


「なあ、これはイエスかノーで答えられる質問じゃないのか?

俺も暇じゃないんだ…お前は諦めて他のやつに聞くことにしようか?」


その瞬間アルフィーの足の力が少しだけ強くなる。


「わ、分かった、その話は本当だ!だけど俺は…」


「そうか…そこまで聞ければ十分だ、よく言えたな。

では…正直者のお前に選択肢を与えてやろう。」


そして、一つ二つと指で番号を示しながら選択肢を与えていく。


「一つ目はお前が全ての責任を取ってこの場で自害するか。

二つ目はこのままアルフィーに踏みつけられて死ぬか。

三つ目は後ろの連中もろとも、貴族を拉致、監禁、違法売買未遂の罪で法に則り全員処刑されるか…」


一つ一つ聞き逃すまいと真剣に聞いていたザンジだが、どうしてか自分の生きる道が見えてこない。

冷徹に見下ろすカイと言葉を詰まらせ、ガタガタ震えるザンジ…

そこに割って入る人間が現れた。


「ハイハイ、お兄ぃそこまでだよ。流石に命まで取るのはやりすぎだって。」


そこで仲裁に入ったのは元凶であるローラであった。

なおその髪は既にポニーテールに戻してあり、口調もいつも通りになっている。


「何言ってる。ローラに手を出した報いは受けさせないとまた他の…」


「だーから、大丈夫だって。

ほら、選択肢四つ目、私との示談に応じるか…だ。」


「四つ目だ!示談に応じる!!」


「ほら、こんなに素直になってるんだからわざわざ殺す必要はないって。」


 すると、ローラはアルフィーにザンジの顔を見えるようにするよう目線を送る。

それに従いアルフィーはザンジの髪を掴み顔をローラの方に向け、コンバットナイフを首にあててやる。

ちなみに首にナイフを当ててるのはアルフィーなりの優しさである。

ここで下手に逃げようとしたりすれば本格的に殺すしかなくなる、細かすぎてわからない優しさだ。


「さて、貴族に喧嘩売るって意味は分かってもらえたか?」


「あ、ああ。

だが、奴隷になるのは俺だけで他の奴らは許してくれ…」


その言葉にケラケラ笑いながら「心配すんなって、うちは奴隷は使わないんだ。」と言って示談金を提示する。


「じゃあ、示談の交渉なんだが…カッツの高利貸しで吹っ掛けたのが大金貨三枚。

それに制裁金を加えて、今回は初回特典のオマケで大金貨六枚で許してやるよ。」


大金貨六枚…決して安くはないが、命と組織の存続に対する対価とすれば破格な安さだ。


「わかった、すぐに用意する。」


「そうかそうか…んじゃ、もう話はついたから皆お開きでいいぜ!

あ、お姫さんもサンキューな!

…ほら、何グズグズしてんだ、さっさと金持って来いって!」


その行動にこの場にいる全ての人間の中に釈然としない思いがよぎる。


((((これってただの美人局じゃないのか???))))


 ちなみにレティはずっと馬車の中で魂が抜けていた。

そして、組員が持ってきた金を受け取るや否やローラが突然人が変わったように宣言する。


「汚ねぇ金貸しのクズから金巻き上げてやったから、私の奢りだ!テメーら今日は飲みまくるぞ!!」


「おいローラ!!」


「違うって…!これはお礼だよお礼!

皆私を助けてくれようとして集まったんだよ?

お礼の一つもしてやらなきゃ不義理ってもんでしょ。」


「んぐ…」


 パッと冒険者達を見ると皆ボロボロで喧嘩で殴られた後のようなものが出来ている者もいる。

これらが皆ローラのために動いてくれたとなるとお礼をしなければならないというのはもっともだ。

苦々しい思いをしながらもそれくらいは仕方がないと諦める。


「遅くなるんじゃないぞ?」


「だいじょーぶ、だいじょーぶ!お礼に皆にちょっと奢ったらすぐ帰るから!」


そう言って冒険者達を引き連れてやかましくギルドに戻っていくローラであった。



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