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最高で最後の恋  作者: 佑里
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73/87

バージョンアップ

 彼女が漫画を返すために、彼と会う。彼は表にださないもののその日を待ちわびていた。

 ただ二人とも介護施設で働く身だから、そう簡単に休みは合わなかった。日にちはなかなか決まらなかった。

 京都の旅を終えてから彼は仙台に行きたいと言った。それも一人で。東北の震災に彼は何か影響を受けていたようだった。よく話にも出てきて、何かしたいを繰り返していた。自分の目で被災地を見て歩きたいと言った。素敵な行為だと応援した。1泊2日の旅を計画した。

「なにか自分の中で変わる気がするんすよね」

 彼は前に進もうとしていた。彼女を取り戻すだけでなく、自分をバージョンアップさせるために。一人でもんもんと悩んだ日々の中から見つけた一つの抜け道なのかもしれない。

 まぶしかった。

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