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覚悟
彼と彼女のメールのラリーは、もどかしいくらいのスピードで続けられた。見せられる私には毒でしかなかった。
覚悟しなければならない。
もともと何の希望も将来もない夢だ。
人を好きになるのはいいことだと思う。彼のおかげで知らない世界を知った。彼といるだけで幸せだった。それで充分なはずなのだ。
想うだけなら、良かった。のめりこんだら、もう罪だ。あっという間に落ちた恋は私の全てになっていた。もう罪なのに。
新しい催しをみると、彼と行きたくなる。彼ならどんな風に楽しませてくれるか考えてしまう。彼しか、なかった。家族といるのに、心は離れていた。それこそ罪だ。苦しい想いは自業自得なんだろう。
それでもそれでも、忘れられなかった。離れることができなかった。
もうすぐ、彼は彼女と会う。そして戻る。
この一年間をなにもなかったことにしたかった。出会わず、恋もせず、苦しまず、こんな辛い想いに悩むこともなく。
もう限界だった。




