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闇
十月の連休が開けた日、彼は彼女にメールした。LINEではなく、Eメールに。彼に聞いたわけではない。たぶん分けたかったのだろう。通知の音も変えていたはずだった。彼女からの知らせはそれだけ、特別なのだ。
どんなメールの文面かは知らない。あなたに教えてもらったように、寒くなったなと、あと漫画の話にしましたよと送った後で聞いた。いよいよ離れて行くんだなと実感していた。おかしくなりそうだった。心に闇が襲ってきた。抜け出せない闇が怖かった。
程なく彼女から返信があった。彼はそのままコピペして送ってきた。
私は元気だよ
寒いかなあ、まだまだだよ
漫画ちょい笑えた。借りっ放しだね
かえすよ
彼には久しぶりに待ってた彼からメール来たのに、なんだかあっさりしてるねと返した。
いや、あいつはこんなもんすよ
と、かばった。私の全く知らない彼と彼女の世界が広がって、私はますます闇の中に落ちて行った。




