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最高で最後の恋  作者: 佑里
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負け

 知人からのLINEを見て、彼は焦った。ただ平静を装っていた。私は見て見ないふりをした。話を振れば、とめどなく彼は彼女への想いを語るだろう。いやだった。彼女はいままで彼からのアプローチを待っていたのだから。本当に彼を思うなら、あたしをここに置いて会いにいけと言わなければいけなかった。無理だった。心は離れていてもせめて、今はそばにいてほしかった。

 焼肉に誘った。いいすねと彼は返事した。

 車に乗ってIKEAの駐車場を出た途端だった。

「今あいつに電話したら負けですよね」

「連絡したい?」

「だって別れをあいつ受け入れたんでしょ」

「とめないよ」

「でもなあ」

 結局、彼はその日彼女に連絡を取ろうとしなかった。焼肉を食べながら、心の渦を隠すように私の話に焦点を絞った。

 退職して一ヶ月ですよね、どうですか、戻ってきませんか、これからどうしたいんですか?何かやりたいことあるんですか?手伝えることがあれば言ってくださいね、なんでもしますから。

 彼の痛々しい想いが手に取るようにわかってしまった。

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