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IKEA
「さて、次はどうします?」
「どこでもいいよ」
「あなたが行ったことがないところ、お連れしますよ。任せてください」
「IKEA」
彼は笑った。行ったことないんですか?と小馬鹿にしたように笑った。笑われている自分を、可愛いとナルシストのように思った。笑われても仕方がない。オープンしてもうかなりになる。出不精な夫が連れて行ってくれるはずもなく、車の運転が苦手な私に行けるはずもない。
夕暮れの街を抜けてIKEAに車を停めた。平日の夕暮れどき、店内は空いていて二人の笑い声は店中に、広がるようで恥ずかしかった。それでも店員の目も気にせず、しゃべって笑った。オシャレな店内に私はあり得ない夢をみた。隣にいる彼は何を思っていたのだろう。大きなモノトーンのデザイン画が気に入って、こんな絵をかけたいよね、いやいや、こっちのほうが好きだなと夢見心地でいたときだった。
彼のLINEに彼女の様子を知らせる一報がはいった。
あの子からメールきたよ
ずっと連絡待ってたけど、来なかったよ
おわったなあー
だって。意地張って連絡しないからだよ
彼はうつむいた。私は壊れそうだった。




