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クマのプーさん
私が好きになってしまった人に彼女を紹介した知人は、事あるごとに彼女に復縁をあおったようだった。彼女は自分で別れを決めた理由がわからない、でも好きかどうかもわからないと言っているという。
彼を知る人は皆、彼に連絡するよう勧めた。私も本心とは裏腹に
「心にぽっかり空いた穴を埋めるのは、あなたしかいないよ」
「メールでしかやりとりしてないから、声を聞いたらきっと何かがかわるよ」
と話したが彼は動こうとしなかった。彼の中で何か冷めてきたのかと思った。それなら、そのほうがいい。この状態が私には何よりだ。
その日も彼の休みにランチに誘い、ある店にはいった。正面のガラスケースにクマのプーさんが貴金属に埋れてディスプレイされていた。彼は得意のiPhoneのカメラで写メった。趣味悪いよと笑った。iPhoneのカメラロールを見ながら
「プーさん好きなんすよね、あいつ」
彼の目にはプーさんではなく、プーさんが好きな彼女の面影しか映っていなかった。
ここにいる自分が情けなくなった。そしてそれでもそばにいたいと思う恋心が悔しかった。




