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順序
彼女が落ち込んでいるという情報は彼にとって願ってもない吉報だったはずだ。
別れ話しに二人で選んだ指輪をしてくる非常識さを責めることもなく、別れのメールさえ認められない彼女の存在は代え難いものなのだ。
私はすぐに彼女の元へ行くものだと思っていた。でも彼の態度は意外だった。
「おかしくないすか?向こうから別れたいって言ってきて、僕がわかったって送って、どうして向こうはまだ僕からの連絡待つんすかね」
「まだ、好きだからでしょ。連絡したら」
「いや、それ順序が違う」
彼の心がつかめなかった。
それからの彼は右に左に揺れ動いた。電話かけたいといってみたり、こっちから連絡とるのは何かゆるせないものがあると言ってみたり。男のプライドだとも言った。数分後には女々しい提案をいくつもしてきた。
毎晩のように電話した。彼の心の動揺の波に私も一緒に乗っていた。
どうか、戻らないでと願いながら。




