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最高で最後の恋  作者: 佑里
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おまじない

 見事な夜景を展望台で二人で見つめた。あのあたりに行ったことあるよとか、景色を眺めながら話しは弾んだ。自然とまた、彼は彼女のことを話し出した。

「この前会った時ね、彼女気持ちが追いつかないって言うんすよ。どういうことなんかなあ。いっそ嫌いって言ってくれたら、もうあきらめつくんすけどね。なんか返事を待ってるのってね」

 彼の本音だろう。あなたを嫌う人なんかいないよと答えた。待つのって辛い試練だねと言うと、本当にと答えた。続けて私はあなたが好きだとは言えなかった。

 しばらくして彼はおまじない知ってますか?と言った。きょとんとしていると、いきなり大股で七歩その場から下がった。

「これね、元に戻るおまじないらしくて。

 思い出の場所で、七歩もどるんですよ。

 一人でやってるとバカみたいでしょ、だから一緒にいてほしかったんすよ」

 ぜんぜん馬鹿げてないよと笑いながら、彼の想いも丸ごと愛おしかった。車に戻る彼の隣を歩きながら、手をつないでみたかった。腕を組んでもいい?と聞きたかった。心の中が彼女でいっぱいの彼には到底聞けるはずなかった。彼は私の向こう側に、彼女の笑顔を浮かべているのだから。

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