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不思議ちゃん
この日から彼は捉えどころのない彼女を不思議ちゃんと呼んだ。
確かにそうだ。別れ話をするのは、いつでもいいと言い、デートを楽しんで指輪をはめて、あなたとはもう無理ですと言う。だらしない女の子だ。彼がとにかくかわいそうだった。それでも諦めないという。どんなところがいいの?と聞くと、笑いのツボが同じでね、ずっと笑っていられるんですよと自慢げに話した。でも甘えてくれないし、二人で並んで座っても、もたれてきてくれたことなど一度もなかったなあとため息をついた。
「なにが悪かったのかなあ」
彼は、まだ自分を責めていた。少しだけちょっとその女の子って…と意見すると
「いや、そういう子なんでね」
と彼女をかばった。不思議ちゃんなんでねとしめた。彼女がどんな女性なのか知らない。でも彼と彼女は似合っていない。私なら彼にこんな思いはさせない。辛くなった。
彼の中にいる女の子にはかなわない。彼の頭の中にある彼女は完璧なのだ。たとえ不思議でも。




